国際情報

韓国が延坪島を砲撃されたのは日本を仮想敵にし過ぎたから

 11月23日に発生した延坪島砲撃事件では、最前線で「北朝鮮への備え」がまったくできていなかった韓国軍の「平和ボケ」。なぜこうなってしまったのかを産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏が解説する。

 * * *
 韓国では近年、韓国軍の仮想敵は北朝鮮ではなく、まるで日本であるかのようなパフォーマンスが続いていた。

 たとえば「国防白書」の表紙に日韓が領有権で対立している竹島(韓国名・独島)の写真を掲載し、島の上空を哨戒飛行する空軍機を誇示している。海軍は新建造艦を「独島」とか「安重根」などと命名し、島周辺での海上パトロールを強調してきた。

 昔は新年となると、南北軍事境界線の酷寒の山岳地帯で、北をキッとにらむ兵士の写真が出て「今年も国の守りには異常なし!」とアピールしたものだが、近年はもっぱら南の方(日本)を見据える「独島警備隊」の写真になっている。

 ソウル近郊で対岸が北という江華島の芸妓峰では、毎年クリスマスとなると前線部隊のクリスマスツリーが話題だったが、マスコミに登場しなくなって久しい。

 哨戒艦撃沈に次ぐ今回の延坪島砲撃に、韓国マスコミ(世論)は北朝鮮への怒りを爆発させ、やられっ放しの韓国軍を非難している。しかし北の脅威と北への備えをいい加減にし「独島防衛!」などと迂遠なことを先頭に立ってやってきたのは、マスコミではなかったか。

 今回、その大きなツケが回ってきたのだ。韓国マスコミに反省は見られない。
 

※SAPIO2011年1月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン