国際情報

卒業大学と学部で給料に差つくため米の受験戦争激化と大前氏

 中国、韓国、日本、そして米国……。各国の教育事情には大きな隔たりがある。大前研一氏が解説する。

 * * *
 アメリカで受験戦争が激化したのは、どこの大学のどの学部を卒業したかで給料に大きな差がつくようになったからである。

 私は母校であるMIT(マサチューセッツ工科大学)の取締役会メンバーを5 年ほど務めたが、米経済誌『ビジネスウィーク』が毎年発表する学部ごとの全米ランキングが学部長の評価に使われた。順位が落ちた学部は改善計画の提出を求められ、極端な場合には学部長を代えたり、上位校から引き抜いてきたりする案も検討された。卒業生の就職先、年俸などに基づいてランキングが付けられるため、入学志望者にとっても大きな指標となる。
 
 ビジネススクールについてはもっと極端で、卒業生の平均初任給(オファー)はいくらだったかのランキングが出る(アメリカの会社では入社時期が同じでも、学歴と能力によって個々人の給料は大きく異なる)。それを基に、ビジネススクールの授業料の差が何年分の給料の差で取り戻せるかを計算し、志望校を決める。

 つまり、仮に2年間の授業料が一流ビジネススクールは20万ドル、二流ビジネススクールは7万ドルの場合、それに対する投資利益率が何%で回収期間は何年かを比較するわけだ。その結果、授業料が高くてもハーバードやスタンフォードなどの一流ビジネススクールを卒業したほうが得だということになり、そちらに殺到することになる。

 こうした背景から大学が給料を稼ぐための“道場”となり、かつての日本と同じくカネのかかる受験勉強に励むようになってしまったのである。

※週刊ポスト2011年2月18日号

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン