国際情報

母と思って23年間暮らした女は実は自分の誘拐犯だった

「ずっと捜し続けていた。まるで生まれ変わったような気分だわ」

 23年ぶりに実の両親と再会した娘は、両親と固く抱きしめ合いながらこう語った。その3日後の1月23日、誘拐罪で逮捕されたのは、娘の“育ての親”だった。
 実の親を捜し当てたのは米コネティカット州ブリッジポート在住のカーリナ・ホワイトさん(23)。カーリナさんはブリッジポートで、“母”のアン・ペットウェイ容疑者(49)に育てられた。

 幼いころから「どうして自分と母親はこんなに似ていないんだろう」とアン容疑者と親子であることに違和感をもっていたというカーリナさん。物心がつくころには、
「もしかして、本当の母親は別のところにいるのでは」と思うようになっていた。

 アン容疑者が機嫌の悪いときにカーリナさんを叩いたり、物を投げつけたりしたこともあって、その疑念は次第に大きくなっていく。

 その思いが“確信”に変わったのは、16才のときだった。妊娠していることがわかり、出生前診断を受けるために“母親”に自分の出生証明書を求めたところ、「私は実の母親ではない。証明書は持っていない」との告白を受けたのだ。

 以来、カーリナさんは出産した子供を育てながら、実の親を捜し始めた。そして昨年12月、「失踪および搾取された子供のための全国センター」(NCMEC)のウェブサイトで、5才になった自分の子供とそっくりの子供の写真を発見。それは実の両親が届け出ていた、生後間もないカーリナさん自身の写真だった。

 実は事件は1987年8月に起きていた。生後19日だったカーリナさんは40度の高熱を出し、両親にニューヨーク・ハーレムの病院に連れてこられた。医師に抗生物質を注射してもらい、しばらく様子を見るといわれた両親が数時間後に病院に戻ると、そこにカーリナさんの姿はなかった。白衣に身を包み、看護師を装ったアン容疑者が、カーリナさんを病院から連れ出していたのだ。

「数回の流産を経験し、自分では子供が産めないかもしれないとの思いがつのり、誘拐した」とアン容疑者。

 しかし彼女の親類はこう証言する。
「当時交際していた男性の子を妊娠したが、流産。相手をつなぎ止めておくために子供が必要だったのだろう。当時はどこかで出産してきたのだろうと思い、誰も不思議には思わなかった」

※女性セブン2011年2月17日号

関連キーワード

トピックス

ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン