国際情報

中国政府高官「デモ情報で騒いでいるのは海外メディアだけ」

中東で起きた民主化デモの波が中国にも押し寄せている。果たして「ジャスミン革命」は起こるのか? 『習近平の正体』(小学館)の著者・ジャーナリストの相馬勝氏がリポートする。

* * *
いまのところ、北京の集会予定地ではデモ参加者よりも外国人記者の方が多く、あとは中国人の野次馬だけで、本格的な騒乱が起きる気配は薄いようだ。

北京の政府高官は筆者(相馬)に対し、「デモの呼びかけはいたずらで、うその書き込みをして面白がっている愉快犯。社会に不満を抱いている若者の仕業だ。踊らされているのは外国マスコミとわれわれ政府関係者だ」と自嘲気味に語る。しかし、そういいながらも、「中国では野次馬が騒いだだけでも暴動に発展する。民衆の不満の暴発によるデモや騒動がアリの一穴になる可能性はある」と指摘する。

発端はチュニジアでも、エジプトでもリビアでも同じだった。現政権に不満を持った若者がデモを行ない、燎原の火のごとく瞬く間に拡大し、当局が手をこまねいている間に政権を倒すピープルズパワーが火を噴いたのだ。

中国でも若者を中心とする民衆の不満がいつ爆発しても不思議ではない。温家宝・首相が「2億人」と語る失業者。大卒なのに就職できない、あるいは低所得で甘んじている100万人の若者。1年で2倍以上に跳ね上がる食料価格に苦しむ庶民。都市住民の10分の1の低所得にあえぐ数億人の農村住民。厳しい弾圧に耐えるチベット族、ウイグル族ら少数民族――。デモの理由となりそうな不安定要因はいくらでも挙げることができる。

※週刊ポスト2011年3月18日号

関連記事

トピックス

(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン