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銀行員 「あの社長は刺青がある」とデマ流し融資打ち切る

 貸す技術を持たない銀行は、貸さない技術には長けている。暴力団顔負けの騙す、脅す、裏切るその手口には怒りを禁じ得ない。「銀行被害」に苦しむ企業、国民の怒りの告発。

 工作機械の孫請けメーカーを経営するAさんは、10数年前、自宅を担保に3000万円を借りて工場の設備を刷新した。数年は順調に返済してきたが、仕事が減り、返済が苦しくなってきた。が、銀行の「豹変」はここではなかった。

「恐る恐る月々の返済額の変更をお願いすると、担当者は『いいですよ。頑張って行きましょう』と、親身に相談に乗ってくれたのです」(Aさんの知人)

 さらに数年が過ぎた頃、Aさんは担当者からの突然の電話に仰天した――「融資を続けられなくなりました。来月までに残額を一括返済してください」

 返せるわけがない。担当者の対応も急に冷たくなり、何をいっても「全額返せ」の一点張り。結局、担保の家を競売にかけられ、Aさんは自宅も会社も失って、失踪してしまった。

「あとでわかったことですが、銀行はAさんの自宅がいくらで売れるか、ずっと値踏みしていた。ローン残高より家が安くなりそうだと見ると、突然、全額返済を迫ったのです」(同前)

「土地神話」しか信じない原始人並みの頭である。

 銀行員が大好きな、その土地が命取りになるケースもある。不動産投資を業としていたBさんは、2004年から2007年に起きた不動産ブームに乗って、業績を急拡大させた。一時は豪邸、別荘、高級車を手にしてニューリッチとなったが、市況の悪化で業績は暗転。

 最後はメーンバンク、サブメーンから共に見捨てられて倒産するのだが、その「手切れの作法」に怒りが爆発した。

 Bさんはこう語る。
 
「それまでさんざん私のカネで飲み食い、ゴルフ、付け届けを受けておいて、業績が悪くなると道で会っても挨拶さえしなくなる。はっきりいいますが、『情報料』という名目で現金を渡した銀行員も1人や2人じゃありませんでした。

 私とどんな付き合いをしていたかバレるのを恐れたのでしょう。なんと彼らは、私を切り捨てるために、あちこちに『あの社長は反社(反社会的勢力)だ。背中に刺青があるらしい』とデマを流し、それを根拠に融資を打ち切ったのです。一体どちらが反社なのかといいたい」

※週刊ポスト2011年3月18日号

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