国内

仙台の刑務所 受刑者は3食付くが看守は食事もままならない

 200人以上の遺体が発見された仙台・若林区の荒浜海岸から5kmほどの場所に宮城刑務所・仙台拘置支所がある。この震災で、塀の中はどうなっていたのか。

 刑務所庶務課の担当者はこう説明する。

「建物が倒壊して受刑者が逃亡し、社会不安が広がることのないよう頑丈に作られているので、ここら一帯では一番安全な場所といっていい。津波の浸水も建物損壊もほとんどありませんでした」

 若林区の避難所では大勢の人が寒さに耐え、ままならない物資補給のため、わずかな食料で耐乏生活を強いられている。そこで気になるのが、受刑者たちの食生活だ。

「所内にはコメや市販の食料品など大量の備蓄がありますので、通常時と変わりなく、栄養バランスが偏らないように気を遣ったメニューを提供しています。毎日きっちり3食出していますよ」(同前)

 法務省の規定によると、受刑者は性別や日々の作業量に応じて、1日1100~1700kcalになるようメニューが設定されている。宗教上の理由や食習慣を考慮した個別メニューまである。また、所内は暖房も利いていたというから、周辺の避難所に比べるとまさに天国だ。

 ここまで説明した後に担当者は苦笑いを浮かべる。

「刑務官は受刑者用の備蓄食品を食べるわけにはいきません。物資不足ですので、食事もろくにとれないまま、余震の警戒のために、震災当日からほとんど休みなしで働いている状態です」

 そして納得いかなそうな表情でこう続ける。「毎日ではありませんが、受刑者は衛生面を考えてきちんと風呂にも入っています。一方、刑務官の中には、自宅の断水で髭を剃ることもできず、伸ばし放題で勤務についている者がおります……」(同前)

※週刊ポスト2011年4月8日号

関連キーワード

トピックス

安達祐実と元夫でカメラマンの桑島智輝氏
《ばっちりメイクで元夫のカメラマンと…》安達祐実が新恋人とのデート前日に訪れた「2人きりのランチ」“ビジュ爆デニムコーデ”の親密距離感
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《安達祐実の新恋人》「半同棲カレ」はNHKの敏腕プロデューサー「ノリに乗ってる茶髪クリエイターの一人」関係者が明かした“出会いのきっかけ”
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
明治、大正、昭和とこの国が大きく様変わりする時代を生きた香淳皇后(写真/共同通信社)
『香淳皇后実録』に見当たらない“皇太子時代の上皇と美智子さまの結婚に反対”に関する記述 「あえて削除したと見えても仕方がない」の指摘、美智子さまに宮内庁が配慮か
週刊ポスト
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン