スポーツ

5月のガチンコ大相撲 「魁皇まさかの優勝もある」と関係者

5月8日に始まる大相撲の技量審査場所は、大相撲史に残る「面白い」場所になるかもしれない。露骨な八百長はできないため、ほとんどの力士がガチンコ勝負で臨むだろう。そこで本誌『週刊ポスト』は、長年にわたる八百長相撲取材から得たデータをもとに、「5月技量審査場所」の展望を、シミュレーションする。

* * *
当たり前のことではあるが、ガチンコ相撲の最大の特徴は、立ち合いから勝負がつく瞬間まで双方が力を抜かない点にある。お互いががむしゃらに攻防を繰り返し、土俵際までもつれる取組が激増することが予想される。

「力士がケガをするのは稽古場が多い。なぜなら親方の厳しい目が光っており、終始ガチンコだからです。捻挫や擦り傷は当たり前。中にはじん帯を伸ばしたり、骨折する力士もいる。本来、相撲はそれほど激しいものなんです。稽古場の相撲が場所にそのまま持ち込まれることになるので、ケガ人が続出すると思います」(元幕下力士)

早期脱落候補と見られているのが日馬富士である。185cm、129kgと幕内では小兵。過去、小兵の力士が大関昇進後にケガする例は多く、日馬富士も大関昇進後のケガが目立つ一人だ。

「小兵大関では栃東(現・玉ノ井親方)のケースが記憶に新しい。若貴をライバルとしてガチンコを貫いてきたが、ケガが多く2回も関脇に転落した。大関という立場では立ち合いの変化も許されないので、頭からぶつかるしかない。現役中に脳梗塞を発症するなど頭部に重大な問題を抱え、それが引退の引き金になった」(出羽一門の親方)

激しい相撲で日に日に力士が負傷、脱落して、中日以降は激減する可能性もある。ガチンコとはそこまで厳しいものなのだ。

そんな中、注目されるのが魁皇である。今年で39歳、初土俵から23年目を迎え、既に満身創痍である。当然ケガをする確率が高そうに思うが、さにあらず。ある角界関係者は、「魁皇だけは心配ないだろう」と意外な見通しを語る。

「彼は日本人力士最後の砦。特に地元の九州場所は、彼抜きに集客はできないとあって、今年の11月までは協会も絶対に引退させたくない。力士仲間からの人望も厚いので、“魁皇関にケガをさせては大変だ”と、“片八百長”になる可能性が高い。もちろん魁皇自身の相撲の巧さもあるので、まさかまさかの優勝だってあるかもしれない」

そんな見方をされるのは魁皇にとって迷惑な話だろうが、相撲人気がここまで低迷している今、「日本人力士随一の人気を誇る魁皇にケガで引退されては困る」のは、角界の共通認識なのだ。

※週刊ポスト2011年4月29日号

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン