スポーツ

元盗塁王が監督の野球部員 ネットで監督の過去映像観て喜ぶ

現在、全国の球児たちが夏の甲子園を目指して戦っているが、一方では高校野球に舞い戻り監督として采配を振るっている元プロ野球選手もいる。阪神~ダイエー~中日と渡り歩き、1991年には盗塁王にも輝いた大野久氏(50)もその1人。スポーツジャーナリスト・古内義明氏が大野氏を取材した。

* * *
現在、茨城県の東洋大牛久高校の監督を務めている大野によれば、この7年間は葛藤の日々だったという。

「例えば、投手のモーションをどう盗むか。実際に生徒に『あそこを見ていてごらん、こんなクセが出ているだろう』と、私が読んだクセを教えてみせるんです。ただ、技術のない子に教えすぎると応用が効かなくなる。だからこそ実戦的な練習を繰り返すしかない」

キャッチボールもまともにできず、一度も試合に出ることもなく卒業する子供もいる。そうした子供に対して、元プロ野球選手としてできることは、まず「野球を好きになってもらうこと」だった。

そこで大野は「ホームランはこうやって打つんだ」と、子供たちの前で実際に打って見せた。ミーティングでは、プロ野球時代の話をし、実名を挙げてエピソードを話す。現代っ子らしく、子供たちはインターネットの動画で話に出てきた選手をチェックするという。

「子供たちが『大野久で検索したらヒットします!』って。ただ、その映像が大したバッティングしていないんですよ(笑い)」

就任した当時は元日以外364日練習だった。だが、高校野球の世界に飛び込んだことに後悔はない。

「高校野球の監督になってわかりました。毎日泥まみれになって、監督には怒鳴られ、それでも純粋に野球をしている子供たちの姿はカッコいいと。プロ野球選手でも絶対にかないません」

※週刊ポスト2011年7月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン