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海外から戻ってきた日本人が陥りやすい「出羽の神」に注意

 おぐにあやこ氏は1966年大阪生まれ。元毎日新聞記者。夫の転勤を機に退社し、2007年夏より夫、小学生の息子と共にワシントンDC郊外に在住。著者に『ベイビーパッカーでいこう!』や週刊ポスト連載をまとめた『アメリカなう。』などがある。4年間のアメリカ暮らしを終え、帰国したおぐにさんだが、中学生の息子は、帰国早々思わぬことにハマってしまっているようだ。

 * * *
 息子は帰国以来、えらく慎重だ。アメリカのことを友人に話すことさえない。帰国前に日本人仲間から、こう脅されたのが効いてるらしい。「日本に帰ったら、アメリカの話はしないほうがいいよ。『出羽の神(出羽守とも)』って悪口言われるから」

 出羽の神ってどこのカミサマ?と尋ねれば、「『アメリカでは○○だったのに』とか『アメリカでは△△だったのよ』とか、『では、では』を連発する西洋かぶれだから、『では』の神」だって! ひええ。

 ところで、日本に徐々に適応しつつある息子のことで一つ心配が……。連日のように小遣い持ってスーパーマーケットに出かけてしまうのだ。アメリカにいた頃は、親の車で送迎してもらわないと、買い物一つできなかったから、自分で買い物できるのがうれしいらしい。言わば帰国子女版「はじめてのおつかい」。“遅咲きデビュー”ってヤツだ。

 なけなしの小遣いで何を買ってるかというと、納豆に、刺し身に、焼き鳥に、手作り寄せ豆腐に、キュウリの糠漬け……。アメリカで夢見てきた日本の食べ物を片っ端から買わずにいられないらしい。

 帰国翌日なんて、茹でダコの足を買ってきて、幸せそうにしゃぶってたもんね。「うまい。うま過ぎる~。これがたった320円! アメリカじゃ3倍以上したのに」。でも今どきの中学生男子が小遣いで茹でダコを買うか? 「日本で浮くよ」の一言、そのままアンタにお返しするよ。

※週刊ポスト2011年9月9日号

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