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養老孟司氏「たばこは健康には悪いがメリットも沢山ある」

 昨年の大幅値上げや受動喫煙防止条例の導入など、愛煙家にとっては肩身の狭い社会が出来上がりつつある。しかし、たばこはデメリットばかりなのだろうか? 愛煙家として知られる解剖学者の養老孟司氏が、たばこのメリットについてこう語る。

 * * *
 なぜ人はたばこを吸うのかというと、脳の研究者として私はこう考えている。仕事や勉強をするという行為は脳の中で「秩序を生み出す」行為である。秩序を生み出すにはエネルギーが必要で、エネルギーを消費するとエントロピーが増大し、無秩序が生み出される。
 
 つまり、無秩序は常に秩序と同じ量だけ生み出されるのである。人間は1日の3分の1は眠らないと生きていけないが、眠っている間に溜まった無秩序を清算してスッキリさせていると考えられる。
 
 たばこを一服するというのは睡眠と同じで、無秩序を少しだけ清算しているのだ。だから、たばこをやめれば別の方法で無秩序を解放する必要があり、そうしなければ溜め込むばかりになる。
 
 単に中毒というのではなく、何かメリットがなければ、こんなに多くの人々が吸い続けたりはしない。たばこは健康に悪いかもしれないが、メリットもたくさんある。だから、やめれば問題解決かといえば必ずしもそうとは言えない。
 
※SAPIO2011年9月14日号

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