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コシノ3姉妹の母 「娘のデザイン取るのは親の特権や!」

 10月3日、NHKの連続テレビ小説『カーネーション』がスタートした。尾野真千子(29)演じるヒロインの糸子。そのモデルになっているのは、世界的デザイナーとして活躍するヒロコ、ジュンコ、ミチコの“コシノ3姉妹”を育てた小篠綾子さん(享年92)だ。

 綾子さんは、泉南高等女子学校(現・大阪府立和泉高校)3年のとき、近所のパッチ(ももひき)店にあったミシンに魅了され、卒業を待たずに女学校を中退。そのパッチ店で働き始めた。紳士服やセーラー服などを縫って働きながら経験を積み、家にあった生地で洋服を作っては岸和田の百貨店に体当たりで売り込みに。当時経営が傾いていた父の呉服店を譲り受ける形で「コシノ洋装店」を開業したのは、まだ21才のときだった。

 3人の娘たちが独立し、世界で活躍するのを見守りながら、綾子さんは自らも「コシノ洋装店」で洋服を作り続けた。

「彼女のデザインはあくまでも大阪風で、非常に個性的。セレブや女優さんが着ることはないけれど、浪花の町のおばちゃんにとても愛されました」(ファッション関係者)

 洋装店の経営だけにあきたらず、綾子さんは75才にして、「コシノアヤコ」ブランドを立ち上げてしまう。デザイナーの服がモデル体形の人向けばかりなのを見て、「あんな体形の人、どこにおるねん」といって、時代に先駆けてシルバー世代向けの服作りを始めたのだ。弘子さんの次女で、ファッションデザイナーとしては“3代目”にあたる小篠ゆまさん(43)がいう。

「祖母にしてみたら、娘に負けたくないという思いだったのでしょう。女系家族なんで、親子も姉妹もみんなライバルなんです」

 そして、笑いながらこんなエピソードを明かしてくれた。

「でも、ヒロコやジュンコに似たデザインのものがたまにあって。母と叔母が“これ、ちょっと…”って聞いたら、“娘のデザインをとるのは親の特権や!”って(笑い)。産んでるのは自分だからって悪びれずにいうんです。もう、何もいえませんって感じですよね」

 おばあちゃん子だったというゆまさんは、20才を過ぎてからはよく一緒に飲みに行ったという。

「クラブに連れて行ったりもしました。気がつくと、若者と一緒に踊っていたりもして。おばあちゃんはすごくおちゃめで、本当に面白い人。私の夫にいたずら電話をかけたりもしていましたね」(ゆまさん)

※女性セブン2011年10月20日号

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