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うつ病 血液中の物質を分析することにより判別できる研究も

 10月8日、宮崎あおい・堺雅人が夫婦役を演じる映画『ツレがうつになりまして。』の上映が開始されるが、同映画のテーマは「うつ病」。とはいっても、うつ病かどうかの判定は難しいもの。

 そんななか、臨床の現場ですでに血液検査による診断を行っている病院もある。東京にある外苑メンタルクリニック院長の川村則行さんは、「血液中にあるリン酸エタノールアミン(PEA)という物質を分析すると、うつ病の診断に役立つことがわかりました。これでうつ病患者の82%を正しく診断することが可能になるので、潜在的なうつ病患者をいち早く発見し、病気の早期治療につながる大きなメリットです」という。

 川村さんは山形県にある慶応大学発のベンチャー企業『ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ』と共同研究を行い、健康な人とうつ病患者の血漿に含まれる代謝物質の検査を実施。すると、うつ病を患う人は健康な人に比べ、PEAの濃度が10~50%と低い結果が出た。

「これはPEA検査と呼ばれています。さらに研究を進めながら被験者を増やし、検査の精度を高めたい」(川村さん)

 現在、検査料は経済産業省の研究助成金の補助があり、診察を受ければ検査に関しては無料。結果は5~6週間でわかるそうだ。

 PEA検査はうつ状態の判定だけでなく、すでにうつと診断されている人にとっても助けになる。

「状態が悪いときは低い数値が出て、調子がいいと高い数値になるんです。つまり、治療をしている人は高い値が続けば症状が改善されたと判断できるので、薬を減らす指標になります」(川村さん)

 また、検査による意外な効果も実感しているという。

「検査によってデータでうつ病という結果が出ると、約半数のかたは安心します。治療に消極的だった人が、治療の必要性を理解し、前向きに取り組むようになるケースも多いんです」(川村さん)

※女性セブン2011年10月20日号

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