芸能

柏原芳恵、あべ静江ほか スターたちのビフォーアフター写真

柏原芳恵、あべ静江ほか、スターたちの今

 数多のスターのプロマイドを発売してきたマルベル堂が、浅草公会堂で創業90周年の記念コンサートを開催。近著『キャンディーズ プロマイドから微笑がえし』(徳間書店刊)を監修した写真家の伴田良輔氏が、マルベル堂の華やかな軌跡を振り返った。

 * * *
 マルベル堂プロマイドは、かつて旬の“生もの”だった。その時、その年に、人気のあるアイドルやスターの写真を撮影し販売した。好きなスターのポートレートを手元におき、すぐそばにいるように感じることのできる写真カードとして、時代の流れによりそっていた。だからこそ、人気がなくなったり引退したスターのプロマイドは、忘れられていく運命にあった。

 しかしプロマイドはいま、時の荒波を超えて蘇り、写真として新たな面白さを帯び始めている。“マルベルスタイル”と呼ばれる独特の指をそえるポーズ。ニッコリ笑顔でカメラ目線。こうしたワンパターンであればあるほど、そこに、巨匠カメラマンたちが技をこらして撮影した写真にはない、定点観測のような面白みが生まれる。

 マルベル堂プロマイドは被写体によって撮影方法を差別したりはしなかった。みな同じであるからこそ、限られた時間の中でどんな笑顔が出来るかの力量や資質の差がくっきりと出た。そうして生き残ったスターたちにとってプロマイドは「一時代を作った」という動かしがたい証人にもなっている。

 かつてプロマイドに登場したアイドルたちが、その写真の横に並ぶとは、なんと勇気ある行動だろう。しかし、一時代を作ったという証言者とともにいるからこそ、彼らはその年月を笑って受け入れることができるのだ。見る者は、過去と現在、その二つの顔の時間の間にあったであろうさまざまな物語を読み取るだろう。

 もう二度と、プロマイドの中の輝きが戻ってくることはない。その切なさこそ、スターであったことの証明なのだ。

【写真説明】
 浅草公会堂で開催された「同窓会コンサート」に参加した面々。上段左から、T・AKIRA(フィンガー5)、あいざき進也、三原綱木(ジャッキー吉川とブルーコメッツ)、加橋かつみ(ザ・タイガース)、加藤高道(狩人)。下段左から柏原芳恵、西口久美子(青い三角定規)、江木俊夫(フォーリーブス)、あべ静江、伊藤咲子。

撮影■渡辺利博

※週刊ポスト2011年10月14日号

関連記事

トピックス

創価学会の「自民党離れ」は今年4月の衆院島根1区補選でも
【自公連立終焉へ】公明党の支持母体・創価学会の「自民党離れ」が進む 岸田首相の「解散やるやる詐欺」に翻弄され“選挙協力”は風前の灯火
週刊ポスト
殺人を犯すようには見えなかったという十枝内容疑者(Facebookより)
【青森密閉殺人】「俺の人生は終わった」残忍な犯行後にキャバクラに来店した主犯格の社長、女性キャストが感じた恐怖「怒ったり、喜んだり感情の起伏が…」近所で除雪手伝いの裏の顔
NEWSポストセブン
亡くなったことがわかったシャニさん(本人のSNSより)
《ボーイフレンドも毒牙に…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の死亡が確認「男女見境ない」暴力の地獄絵図
NEWSポストセブン
長男・正吾の応援に来た清原和博氏
清原和博氏、慶大野球部の長男をネット裏で応援でも“ファン対応なし” 息子にとって雑音にならないように…の親心か
週刊ポスト
殺害された谷名さんの息子Aさん
【青森密閉殺人】手足縛りプラスチック容器に閉じ込め生きたまま放置…被害者息子が声を絞り出す監禁の瞬間「シングルで育ててくれた大切な父でした」
NEWSポストセブン
竹内涼真と
「めちゃくちゃつまんない」「10万円払わせた」エスカレートする私生活暴露に竹内涼真が戦々恐々か 妹・たけうちほのかがバラエティーで活躍中
女性セブン
史上最速Vを決めた大の里(時事通信フォト)
史上最速V・大の里に問われる真価 日体大OBに囲まれた二所ノ関部屋で実力を伸ばすも、大先輩・中村親方が独立後“重し”が消えた時にどうなるか
NEWSポストセブン
大谷が購入した豪邸(ロサンゼルス・タイムス電子版より)
大谷翔平がロスに12億円豪邸を購入、25億円別荘に続く大きな買い物も「意外と堅実」「家族思い」と好感度アップ 水原騒動後の“変化”も影響
NEWSポストセブン
被害者の渡邉華蓮さん
【関西外大女子大生刺殺】お嬢様学校に通った被害者「目が大きくてめんこい子」「成績は常にクラス1位か2位」突然の訃報に悲しみ広がる地元
NEWSポストセブン
杉咲花
【全文公開】杉咲花、『アンメット』で共演中の若葉竜也と熱愛 自宅から“時差出勤”、現場以外で会っていることは「公然の秘密」
女性セブン
京急蒲田駅が「京急蒲タコハイ駅」に
『京急蒲タコハイ駅』にNPO法人が「公共性を完全に無視」と抗議 サントリーは「真摯に受け止め対応」と装飾撤去を認めて駅広告を縮小
NEWSポストセブン
阿部慎之助・監督は原辰徳・前監督と何が違う?(右写真=時事通信フォト)
広岡達朗氏が巨人・阿部監督にエール「まだ1年坊主だが、原よりは数段いいよ」 正捕手復帰の小林誠司について「もっと上手に教えたらもっと結果が出る」
週刊ポスト