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私物スマホを会社で使うには上司から公的利用認めてもらおう

竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「私物のスマートフォンを会社業務でも使いたいのですが」と以下のような質問が寄せられた。

【質問】
なにかと便利なスマートフォン(高機能携帯電話)を仕事で使いたいのですが、経費抑制のため会社では支給してくれません。どうしても使いたい場合は個人的に買うしかありませんが、私物を会社の業務で使う場合、予め会社に届け出ておく必要があるそうです。大事なポイントは何でしょうか。

【回答】
まず会社の就業規則などを確認してください。もし職場への私物持ち込みについて規制がある場合には、従わなければなりません。職場への私物持ち込みは、職場の安全、機密保持、会社資産との混同防止等の観点で、以前から規制している会社が少なくありません。そのような会社では、就業規則などで日常携行品以外の職場持ち込みを禁じ、それ以外の私物の持ち込みには、上司の許可を受ける必要があるといった制度になっているはずです。

最近は企業のIT化が進み、ノートパソコンが一台あれば、アクセスできる会社の電子情報を持ち出せるようになっています。そこで情報持ち出しを警戒し、情報管理の必要から、従業員が個人的に所有するコンピュータ機器を職場に持ち込むことを厳しく制限している会社が増えてきました。会社によっては、外部コンピュータに接続できないようにして、情報漏洩を防衛しているところもあります。そのような職場では、私的なコンピュータ機器の持ち込みについても制限があると思います。

スマートフォンはパソコン機能を持っており、会社情報の取り込みも可能ですから注意してください。私物持ち込み規制があるのに無視して持ち込むと、服務規律違反になり、情報管理を重視している会社では厳しい懲戒処分を受ける可能性もあります。

規制がなくても、スマートフォンで会社のランに接続できる場合には、データ漏えいの誤解を招かないように、会社の承諾を得ておくのがよいと思います。

スマートフォンを業務で使えば、費用は会社に精算してもらいたいところです。そこで就業規則に制限があれば、これに従って手続きすべきですし、なくても上司に断わってその利用を公的に認めてもらうことをお勧めします。

※週刊ポスト2011年11月18日号

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