国内

首相の福島原発ヘリ視察 国家として非常に危険と元外務大臣

現在日本の政治は「政治主導」とは名ばかりで、官僚主導のまま。日本の政治はどこへ向かっていくのか。そんな現状に対し「言わずに死ねるか!」――政治家経験者による日本政界への提言を聞こう。ここでは元外務大臣の中山太郎氏(87)の話を聞こう。

* * *

僕より6歳年上の中曽根(康弘)さんと会って話をすることがありますが、お互いまだまだボケていませんよ。小泉さんの頃、老人は不要だ、退場せよという論調がバァッと世を席巻して、中曽根さんや宮沢さんが引退に追い込まれましたが、あれは間違い。

政治というのは老若男女、いろんな広い視野で見る必要性があります。若いだけでは軽くてダメなんです。大変な今こそ信念や理念を持った、重みのある政治家が必要ですよ。

ところが、今の政治家は哲学や信念を持っている人が少ない。特に民主党には上から下まで探しても誰一人見あたらない。東日本大震災が起きた時でも、菅さんは国家の指導者が何をすべきかということを全く知らなかった。

彼は一番先にヘリコプターに乗って福島原発に行ったが、危機の際にリーダーに求められることは、本人が動くことじゃなく、組織を動かすことでしょう。それなのに彼は官僚を敵と見なし、上手く動かす術もなかった。マスコミ受けはいいでしょうが、国家としては非常に危ないことです。

菅さんのような場当たり的な対応では緊急事態は乗り切れません。今こそ大災害や有事において、首相はどう対応すべきか、国民の生命・財産をどう守るべきか、しっかりと憲法に規定すべきです。

●中山太郎:1968年初当選。外務大臣などを歴任。2009年引退。

※週刊ポスト2012年1月1・6日号

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