スポーツ

SB和田・杉内の穴埋めに名乗り 3年目川原は球界最速左腕

毎年のように、メジャーに人材が流出している日本球界。ならば、日本球界が衰退するのか? 今季のプロ野球がつまらなくなるのか? 冗談じゃない――。集まり散じて人が変わっていくのは、いつの時代も世の常。スポーツジャーナリストの安倍昌彦氏は、ソフトバンクのエースだった和田・杉内の両左腕が抜けた穴を埋める存在として、3年目・川原弘之の名前を挙げる。

* * *
ソフトバンクは、和田毅投手がボルチモア・オリオールズへ、川崎宗則遊撃手がシアトル・マリナーズへ。「左腕王国」のもう一角だった杉内俊哉に加えて、チーム最多勝(19勝)のD.J.ホールトンまで巨人へ移籍して、まさに「お家の一大事」。

この3人の先発陣で昨季は43勝をマーク。チーム88勝でパ・リーグを制したことを考えると勝ち星の半分が消える勘定になる。西武からFA選手・帆足和幸投手(昨季9勝6敗)を獲得しても、先発陣がもう1枚足りない。昨季も14勝を挙げた攝津正に岩嵜翔、大場翔太、山田大樹、そして移籍の帆足。もう一つ空いている「椅子」に名乗りを挙げそうなのが、今季3年目の川原弘之投手だ。

福岡大大濠高から入団、今季21歳の若武者。185cm・84kg、均整抜群の体躯から投げ下ろす速球で押しまくる投球の大型左腕。和田、杉内の将来展望を織り込み済みだったソフトバンクは、「その時」を見越して数年前から手を打っていた。その「次期」を担うべき人材の1人である。

昨夏のフレッシュオールスターがすごかった。1イニング16球の投球のうち、11球が150km台。しかも、その初球でいきなり155km。これは、ヤクルトのストッパーで活躍した石井弘寿(現二軍育成コーチ)に並ぶ「プロ左腕最速」である。

それ以上にコンスタントに150km台を続けて、しかもコントロールに破綻のない実戦性が秘めた能力の大きさをいたく感じさせた。変化球? そんなものはこれからだけど、150kmでストライクがとれるなら、スライダーがちょっとすべればそれだけで十分だ。

※週刊ポスト2012年2月3日号

関連記事

トピックス

国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
普通のおじさんがSNSでなりすまされた(写真提供/イメージマート)
《50代男性が告白「まさか自分が…」》なりすまし被害が一般人にも拡大 生成AIを活用した偽アカウントから投資や儲け話の勧誘…被害に遭わないためには?
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン