国内

創価学会員だった暴力団会長高山登久太郎 死直前に学会批判

創価学会という特異な宗教団体と池田大作というカリスマ指導者に迫った週刊ポストの連載『化城の人』。ノンフィクション作家の佐野眞一氏が、ある暴力団員による創価学会への思いを書いた。(文中敬称略)

* * *
初代会長・牧口常三郎の教員時代に関連する興味深い記述を「警鐘」という過去の公式サイトで見つけた。これは、二〇〇三年六月に他界した指定暴力団会津小鉄会長の高山登久太郎の公式サイトである。高山は本名を姜外秀という在日韓国人で、家族そろって創価学会員だった。

その高山が死の約一か月前に「創価学会を暴く」というブログを書いている。ブログは暴力団の親分とも思えないおごそかな調子の書き出しから始まっている。

〈人が変わり、それによって社会が変わっていく──。創価学会の前身『創価教育学会』は、昭和5年、後に初代会長となる牧口常三郎の『創価教育体系』に始まる。教員だった牧口は、教育者、そして日蓮正宗と出会った縁から、仏法を中心に据えた教育を通して、自分の理想とする平和と人間の価値創造の実現を目指した。これが『創価教育体系』であり、すべてはここが原点になっている〉

この記述だけで、高山が相当年季の入った創価学会員だったことがわかる。高山のサイトを続けよう。

〈一般的に言われているが、学会の信者たちの中には、危険な職業に就かざるを得ない人や、社会的に虐げられた人、そしてその家族が多くいる。社会の中で苦しみ、いじめ抜かれた人たちが、左翼政党のように怒りをストレートにぶつけ、社会変革を訴えるよりも、まず心の平安を求めたいと願っても不思議ではない。そんなとき仏法に接し、入信してお題目を唱えることで救われた人は実に多い。

それだけに学会員の組織愛は、他のどんな政党や宗教団体よりも強い。ましてや外部からの批判に結束して立ち向かっていればなおさらのことだ〉

高山の舌鋒はここから急に激越になる。批判の矢面にさらされているのは、池田大作である。

〈しかし本当の敵は内部にある。これまで述べてきたように、功徳と信心を金に絡ませるようなやり方、権力に対する迎合は、すべて池田によるものだ。飽くことのない金銭欲と名誉欲。彼がどこかの国の名誉市民になったり、どこかの大学で名誉博士になっても、いまの生活にも心の平安にも何の関係もない。

「学会に入って本当によかった」

「学会だからこそ権力が弱いものいじめをするのを見過ごせない」と言えるような組織にすることが先決ではないか〉

高山は未曽有の不況下、倒産の憂き目に遭っている中小企業が跡を絶たないなかで、池田が世界を回ってノーベル平和賞を札ビラで買うようなムダな金はない、とも述べている。

ブログはそこから一転、「拝啓 池田大作殿」と題する手紙調の文章に変わる。

〈拝啓 一言申し上げる。

はびこる拝金主義、幹部の堕落、そして一生懸命に努力する者が何も報われない現実──。学会で今、何が起こっているか、貴殿はその現状をご存知か。一度、水戸黄門よろしく、お忍びで全国を廻って直接、その目で見てみるがいい〉

※週刊ポスト2012年2月3日号

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン