国内

10才の天才ピアニスト宅 家庭内通貨が流通しMr.Xから指令も

 まだ10才ながら大人顔負けのテクニックでジャズピアノを弾きこなし、コンサートに引っ張りだこの奥田弦くん。その才能は、厳しい英才教育の賜物と思いきや、弦くんの家は、自由で楽しい空気に満ち溢れていた。「子供は遊ぶのがいちばんの仕事」といい切る母・輝子さん(37)の子育てには、マネしたいヒントがいっぱい!

 そのひとつとして輝子さんが編み出したのが、奥田家限定で“流通”する通貨「メジーロ」だ。子供たちは「家のお手伝いをする」「苦手なことをする」「大人を助ける」ことなどでメジーロ紙幣を手にすることができる。たとえば家族の洗濯物をたたむと10メジーロもらえ、実際のお金のように使える。

「メジーロは労働や作品などでやりとりします。私の携帯の着信音は弦に30メジーロで作曲してもらいました。テストで100点取ったらメジーロを渡すなど、苦手なことを努力させることに役立ちます。お金の使い方や役割を身近なものとして理解してもらうこともできますね」(輝子さん)

 メジーロは美術高校出身の輝子さんが本格的にデザインし、発行枚数や交換ルールは『メジーロ規約』で定められている。子供に受け入れてもらうには、“リアルさ”が大切だと輝子さんはいう。

「クオリティーやルールがあやふやだと通じません。逆にしっかりとした仕組みをつくれば、子供は食いついてくれます」(輝子さん)

 そのほかにも、奥田家には子供と一緒に楽しむ工夫が満載だ。たとえば、毎年大晦日の朝には、「ミスターX」なる謎の人物から手紙が届く。昨年末にも「弦、今年も私の挑戦を受けてもらおう。最初の指令はトイレ掃除だ」という挑戦状が届いた。

「それでトイレ掃除をしているとトイレットペーパーの芯の中から『よく見つけたな。次の指令は…』という手紙が出てきて、次の作業に移るんです」(輝子さん)

 手紙は千歌ちゃんと孝さんにも届き、親子3人で「次は何かな」と楽しみながら年末の大掃除をこなす。一日がかりで最後の指令を終えると、「よくやった。宝は和室の押し入れの中だ」との“合格通知”が見つかり、お正月用のプレゼントにたどり着く。

「ミスターXの正体はわからないけど、指令の準備に丸2日かかるみたい(笑い)。おかげで家族みんなで楽しく年末の片付けができます。私が楽をしたいだけかもしれないけど(笑い)」(輝子さん)

※女性セブン2012年2月16日号

関連キーワード

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト