ライフ

「性教育増進で興味がわき、性環境が悪化」と保護者クレーム

 日本の政治は「進歩」と「保守」が入り乱れ、その度に性教育が左右に揺れてきた。果たして日本の性教育はこの国の実情をきちんと反映し、子供たちに必要な教育を施してきたのか。現状をレポートする。

 ある日の中学校の保健体育の授業。性感染症の種類や、その恐ろしさが教えられていた。例えばエイズ。その予防法は「コンドームを使うこと」が大切だと先生がいう。しかし、実は今の日本では、いつ、どのようにコンドームを使えばいいか──つまり性交そのものに関わる直接的なことは教えることができないのだ。

 その理由は、1999年に改訂された中学の学習指導要領に、性教育において「妊娠の経過は取り扱わない」と明記されたことにある。「妊娠の経過」には「性交」が含まれるので、日本の性教育では性交については教えていない。つまり、性交を教えずにコンドームを使うことを教えるという、ねじれが生じているのである。

「性器の名前や、セックスについて教える必要はまったくない」

「性教育を増進することによって、かえって性への興味がわき、子供の性環境が悪化する」

 このような、保護者からの批判によって、実際には性教育が全く行なわれていない学校もあるほどだ。

 埼玉県にある中学校の保健室の先生をする女性養護教諭は次のように話す。

「2003年頃の性教育バッシングの影響で自粛ムードが広がっています。いまはもう恐る恐る授業をしている感じで、性器の名称など、“この言葉を教えて良いのか”と躊躇することも多いです」

 日本の性教育は、たびたび「雨降り教育」と揶揄される。性教育が行なわれる「保健」の授業はほとんどが保健体育科の教師が行なっており、雨が降ったときにのみ、やむを得ず保健の授業を行なうという学校が少なくないからだ。

 小学校では、通常4年生のときに「初経、精通」や「異性への関心が芽生えること」を教えている。中学になると、保健体育の時間や特別活動(いわゆる学級活動)で、性感染症の予防に関することなどを扱っているが、その時間は極めて少ない。

※週刊ポスト2012年2月24日号

関連キーワード

トピックス

元旦に結婚を発表した長澤まさみ
《長澤まさみが過去のSNS全削除と長期休養への背景》長澤まさみ、主演映画の撮影を1年延ばして選んだ電撃婚 『SHOGUN』監督夫と“帯同同伴カナダ計画”
NEWSポストセブン
《まだみんなウイスキーのおもしろさに気付いていない》イチローズモルトの初代ブレンダーが営業マン時代に着目したこと【連載「酒と人生」】
《まだみんなウイスキーのおもしろさに気付いていない》イチローズモルトの初代ブレンダーが営業マン時代に着目したこと【連載「酒と人生」】
NEWSポストセブン
大分市立中学校の校内で生徒が暴行を受けている動画が、SNS上で拡散された(Xより)
《いじめ動画の保護者説明会“録音データ”を入手》「『先生に言ったら倍返しになるから言わないで』と…」子供の不安を涙ながらに訴える保護者の悲痛な声【大分市】
NEWSポストセブン
久米宏さんが瀬戸内寂聴さんに語っていた「妻・麗子さんへの深い愛」とは(共同通信社)
〈妻と結婚していなかったら…〉久米宏さんが瀬戸内寂聴さんに語っていた「妻・麗子さんへの深い愛」 学生時代に知り合い結婚…仕事も家庭も2人で歩んだパートナー
NEWSポストセブン
高市早苗氏(時事通信フォト)
《600億円が使われる総選挙開戦へ》党幹部も寝耳に水、高市首相“チグハグ解散”背景にある3つの要因「旧統一教会問題」「不祥事」「対中関係」 “自民党軽視”と党内から反発 
女性セブン
北海道日高町で店の壁の内側から20代の女性の遺体が見つかった事件(左・店舗のSNSより)
《北海道日高市・壁に女性看護師の遺体遺棄》「お袋には何かにつけてお金で解決してもらって感謝している」バー経営・松倉俊彦容疑者が周囲に語っていた“トラブルエピソード”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)(左・SNSより、右・飲食店サイトより、現在は削除済み)
《不同意性交で再逮捕》「被害者の子が眼帯をつけていたことも」「シラフで常連にブチギレ」鈴木麻央耶容疑者がガルバ店員を洗脳し“立ちんぼ”強要…店舗関係者が明かした“悪評”
NEWSポストセブン
モデルやレースクイーンとして活動する瀬名ひなのさん(Xより)
《下半身をズームで“どアップ”》「バレないように隣のブースから…」レースクイーン・瀬名ひなのが明かした卑劣な”マナー違反撮影“、SNSの誹謗中傷に「『コンパニオンいらない』は暴論」
NEWSポストセブン
肺がんのため亡くなったフリーアナウンサーの久米宏さん(時事通信フォト)
【追悼】久米宏さん 本誌だけに綴っていた「完全禁煙」と「筑紫哲也さんとの“再会”」
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《鎖骨をあらわに予告》金髪美女インフルエンサーが“12時間で1000人以上と関係”の自己ベスト更新に挑戦か、「私が控えめにするべき時ではありません」と“お騒がせ活動”に意欲
NEWSポストセブン
美貌と強硬姿勢で知られるノーム氏は、トランプ大統領に登用された「MAGAビューティ」の一人として知られる(写真/Getty Images)
〈タイトスーツに身を包む美貌の長官〉米・ミネアポリスで移民当局が女性射殺 責任者のクリスティ・ノーム国土安全保障長官をめぐる“評価”「美しさと支配の象徴」
NEWSポストセブン
中国出身の女性インフルエンサー・Umiさん(TikTokより)
《クスリ漬けか…との声も》ギャル系美女が映っていた“異様な監視カメラ映像”とは》「薬物を過剰摂取し、足も不自由で、死んでしまう…」中国インフルエンサー(20)の住居の管理人が証言
NEWSポストセブン