国内

アマゾン2011年部門別売上げTOP商品“自炊”用スキャナー等

 家電から食品まで多様な商品を取り扱い、送料無料で購入できることも多いネット通販。7兆円市場の通販業界にあって、すでに6割近いシェアを占めているという。

 そんなネット通販最大手のアマゾンジャパンが2011年の各部門別年間ランキングを発表した。アマゾンの日本での売上高は非公開だが4000億円近いといわれ、その販売動向は日本の消費者心理をそのまま反映する。流通ジャーナリストの金子哲雄氏が解説する。

「昨年の特徴は東日本大震災が各ジャンルに影響を与えているということ。『スポーツ&アウトドア』1位のランタンは、アウトドアだけでなく非常時のために購入した人がかなりいたはず。『食品&飲料』は、一昨年1位だったコントレックスが健康志向の商品だったのに対し、今回はミネラルウォーターのサントリー天然水がトップになった。原発事故の影響による水道水への不安が消費者を動かしたということです」

 震災は他のジャンルにも影響を与えている。
「『おもちゃ&ホビー』1位の『どうぶつしょうぎ』をはじめ、ボードゲームが多くランクインしているのは、家族の絆を意識しての消費行動と考えていいでしょう」

 昨年は電子書籍への流れが顕在化した年でもあった。
「『文具・オフィス用品』1位の断裁機は、書籍をデジタルデータ化する流行りの“自炊”関連商品。『パソコン・周辺機器』で2位に入っているスキャナーとセットで人気になっています」

 ランキングの中には「アダルトグッズ」という項目もある。1位に輝いたのが、男性用オナニーグッズメーカー・TENGAの旗艦商品ともいえる「ディープスロート・カップ」だ。
 
 2005年からの6年間で累計1700万本を出荷し、世界40か国以上の男性の股間を満足させ続けるTENGAは、射精障害の治療・リハビリ用として医療面でも普及しつつあることで知られる。今回、TENGAは初の戴冠となった。

 なお、アダルトグッズは秋葉原にある大型アダルトショップやDVD個室鑑賞店など店舗での販売数も多いが、「人目を気にして買いにくい」という人が近年ネット通販を利用して購入しているようだ。

■アマゾンジャパン部門別年間売上TOPアイテム

※商品価格は、アマゾン(amazon.co.jp)で表示されている価格(税込)です。

【スポーツ&アウトドア部門】
『GENTOS LEDランタン エクスプローラー プロフェッショナル』 2510円

【洋書総合部門】
『Steve Jobs』 2104円

【和書総合部門】
『涼宮ハルヒの驚愕』(初回限定版) 1260円

【おもちゃ&ホビー部門】
『どうぶつしょうぎ』 964円

【ミュージック部門】
『AKB48 ここにいたこと』(初回限定版) 2700円

【家電&カメラ部門】
『Apple iPod touch 32GB』 2万2526円

【食品& 飲料部門】
『サントリー 天然水』(2L×6本×2箱) 1363円

【文房具・オフィス用品部門】
『プラス 断裁機 裁断幅A4』 2万9986円

【アダルトグッズ部門】
『TENGA ディープスロート・カップ』 470円

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