ライフ

神道の墓「奥津城」と書き「おくつき」と読むとみうらじゅん

 みうらじゅん氏は、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイ ブーム」で流行語大賞受賞。仏教や宗教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある同氏が、神道のお墓について考察する。

 * * *
 神道ではお墓のことを「奥津城」と表記する。これで「おくつき」と読む。『万葉集』にも登場しているほど古い言葉らしい。お寺なら「三浦家之墓」となるが、神道では「三浦家之奥津城」になるというわけだ。

 仏教ではないから線香台もなければ、風が吹くとカタカタとなって墓地特有の雰囲気を醸し出す卒塔婆もない。すっきりした空間になるが、「お参りする人の中に、どうしても線香をあげたいという人もいる」ということで、敢えて線香台を設けている例もあるらしい。

 なんだか、明治以前の「神仏習合」を彷彿させますが、神仏分離から約145年。今でも「神様、仏様、○○様!」なんて、「神仏習合」しちゃいがちな日本人ならではの光景じゃないですか!

 墓石の形状は神道の場合、先が少し尖った形状になるくらいで、見た目は仏式とあまり違いがない。

 この尖った形状は、神道独自ではなくて、儒教の影響を受けたもの。今や、ふつうの公営墓地になっている青山霊園ではかつての名残か、比較的この形状のものを見ることができるらしい。

 首都圏では、東京・あきる野市の稲足神社、鎌倉の鶴岡八幡宮(霊園は横須賀市)などが自前の霊園を持っている。

※週刊ポスト2012年3月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

主演映画『碁盤斬り』で時代劇に挑戦
【主演映画『碁盤斬り』で武士役】草なぎ剛、“笠”が似合うと自画自賛「江戸時代に生まれていたら、もっと人気が出たんじゃないかな」
女性セブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
電撃閉校した愛知
《100万円払って返金は5万円》「新年度を待ったのでは」愛知中央美容専門学校の関係者を直撃、苦学生の味方のはずが……電撃閉校の背景
NEWSポストセブン
遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜の罪で親類の女性が起訴された
「ペンをしっかり握って!」遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜……親戚の女がブラジルメディアインタビューに「私はモンスターではない」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン