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江戸文化研究家 40代以上女性は“婆”と呼ばれていたと解説

 昨今の美熟女ブームにもかかわらず、「熟女」の定義と解釈は乱立している。

 年齢区分ひとつにしても、AV業界は「27歳を過ぎれば熟女女優」が不文律。ところが、美容業界において「アラサー、アラフォーは熟女予備軍、アラフィフからが熟女世代」とえらく幅がある。

「江戸時代に熟女という言葉はありません。代わりに“年増”がその概念に該当します」

 こう語るのは、江戸の浮世絵や艶本、性文化に詳しい白倉敬彦氏だ。

「当時は20歳を超えると年増と呼ばれました。“娘”と呼ばれるのは10代だけです。娘でも、結婚したり出産すれば年増とみなされます」(白倉氏・以下「 」内同)

 年増の年齢層は20歳から35歳くらいまで。25歳あたりで“中年増”、30歳を超えると“大年増”になる。

「吉原の遊女の引退年齢が27歳、大奥の女中も30歳になったら、“お褥(しとね)さがり”といって将軍とのセックスは遠慮しなければいけません。40代は残酷かつ失礼な呼称ではありますが“婆(ばあ)”でした」

 浮世絵や艶本に登場する年増や婆は、「おかみ」「奥女中」「いかず後家」などに大別される。現代なら、さしずめ人妻とキャリア、婚活の成果も虚しい独身女性というところか。

「大岡越前が、母親に女の性欲について尋ねた際、彼女はだまって火鉢の灰を示したといいます。女性のセックス欲求は死ぬまで枯れることがない――これは江戸の年増や婆にも当てはまります」

 ただ、江戸の男たちはわざわざ年増を狙ったりしなかった。興味は素人の娘に集中しているのだ。モテない男でも、遊郭でプロの娘を相手に性欲を発散させた。残念ながら、江戸に熟女ブームは存在しなかった。

「しかし、年増は果敢に逆モーションをかけます。ターゲットは若い男。今でいうイケメンの少年を誘惑し若い性を堪能していました。年増は彼らの筆おろしをかって出たり、お気に入りを男妾として囲うのです。少年は年増によって一人前の男となり、娘とセックスする。その娘が数年後にはまた少年を……と性の実地教育サイクルができていました」

※週刊ポスト2012年3月30日号

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