国内

リニア中央新幹線 東京~名古屋は乗車中8割がトンネルの中

 リニア中央新幹線は東京~名古屋間を約40分で結ぶ予定で、現在の「のぞみ」の所要時間は約1時間40分だから、1時間短縮できるのは魅力だが、はたしてその需要はどれくらいのものか。大前氏は、そのルートの8割がトンネルの中であることに注目する。以下は、大前氏の解説だ。

 * * *
 奈良と京都が中間駅の誘致合戦を繰り広げるなか、リニア中央新幹線は2014年度着工に向けて粛々と計画が進んでいる。しかし、先行して開業する東京~名古屋間については、果たしてどれだけニーズがあるのか、少々疑問である。

 2027年開業を目指している東京~名古屋間の予定ルートは、神奈川県相模原市、山梨県甲府市、長野県高森町・飯田市、岐阜県中津川市が中間駅の候補地になっている。このルートだと、全体の8割くらいが南アルプスの下を通ることになる。

 つまり、乗っている間はほとんどがトンネルの中で、東海道新幹線のように車窓から富士山や浜名湖などの景色を眺めながら駅弁を食べたり、缶ビールを飲んだりしてくつろぐことはできないのだ。最高時速500キロで真っ暗闇の中を突っ走ることに恐怖を感じる人もいるかもしれない。

 リニア中央新幹線は東京~名古屋間を約40分で結ぶ予定で、現在の「のぞみ」の所要時間は約1時間40分だから、1時間短縮できるのは魅力だが、8割が地下というのは大きな弱点である。よほどせっかちな人や多忙な人以外はリニアを利用しないかもしれないし、新たな需要が急増するとも考えにくいのである。

※週刊ポスト2012年3月30日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン