国内

宗教団体のサイドビジネス ゴルフ場やプール、ラブホテルも

 宗教団体の経営は、必ずしもお布施だけで支えられているわけではない。教団名を冠するわかりやすいものから、一見すれば関係性のまったくわからないものまで、巨大教団は幅広い“サイドビジネス”を手掛けている。最近では、「え、そんなものまで?」というものも……。

 宗教団体の「サイドビジネス」には、宗教団体が経営しているとは想像もつかないものも数多くある。2009年、長野市内でラブホテルを経営していた香川県内の宗教法人「宇宙真理学会」が摘発された。ホテルの入り口には巨大な観音像が立ち、壁には「喜捨をお願いします」と張り紙があった。摘発の容疑は宗教法人の賃借に絡む脱税だった。

「宿泊料の一部を“お布施”として非課税扱いにしており、約14億円の所得隠しを国税から指摘された。ラブホテルを経営する実質オーナーが、法人代表に名義貸しを持ちかけ、宗教団体を装って、税金逃れを企んだというものです」(全国紙記者)

 このケースは特殊としても、宗教団体の関連会社が、宗教とは無関係に思われる事業を展開している例は多い。PL教の関連会社が手がけるのは、なんとゴルフ場経営。富田林市の丘陵にあるゴルフ場「聖丘カントリー倶楽部」は、大阪市内から車で30分という好立地。日本女子プロ選手権の会場になるなど関西屈指の名門コースだ。この地にPL教が移転した50年代初めに造成された。経営は教団が100%出資する株式会社「光丘」である。関西のゴルフ場支配人が語る。

「教団施設の土地は1000万平方メートルと広大。施設を拡張するまで芝を張って整地しておいて、ゴルフ場を運営することにしたようです。そのおかげか、フェアウエーの幅が広い丘陵コースになった」

 光丘は4つのゴルフ場を経営する。企業情報によれば、2010年度の売り上げは約30億円、経常利益は約3億円に上る。

 立正佼成会は信者が安心して布教活動に精進できるためとして、保険会社「立花産業」を1964年に設立した。

「約400万人ともいわれる信者を顧客対象にする保険事業は、宗教団体にとって新たな成長ビジネスになると考えられています」(保険会社関係者)

 天理教は都内の関連不動産会社が「東京スイミングセンター」(豊島区)を運営。五輪金メダリストの北島康介らを輩出した名門スクールであり、一般向けのフィットネス施設も充実する。

※週刊ポスト2012年5月4・11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン