国内

TV番組の小沢政局解説 聞けば聞くほどイライラと女性作家指摘

 主婦に人気のTV番組の「消費税論議」と「小沢政局」解説。政治評論家が何人も登場し、今後の読みは…と、いつもの展開だが、「熱心に細かく聞けば聞くほどイライラが募ってくるのは、私だけでしょうか」と、作家で五感生活研究所の山下柚実氏は指摘する。以下は、山下氏の視点である。

 * * *

 「今起きていることに最大限こだわる生放送」がコンセプト。TBSのお昼の番組 『ひるおび!』がお茶の間の主婦を中心に支持されて、午後の部(11:55〜13:50)で全局同時間帯トップ(1〜2月)の「視聴率6.3%」とか。

 この番組は、情報・ニュース系が得意です。政治だろうが事件だろうが、込み入った事情というものを実に丁寧に、わかりやすく解説してくれる。

 司会・恵俊彰の軽妙な進行や、ゲストのバランスもなかなかいい。この番組のおかげで、わかりにくかった政治の、「表と裏」に詳しくなった主婦も多いのではないでしょうか。

 ところが、「消費税論議」と「小沢政局」をめぐってちょっとばかり変化が。

 微に入り細をうがって、政治評論家が何人も登場し、今後の読みは…と、いつものように丁寧なのですが、熱心に細かく聞けば聞くほどイライラが募ってくるのは、私だけでしょうか。

 それはなぜなのでしょう?

 政治評論家たちは、自分だけが独自ルートで仕入れたという情報を披瀝しつつ、政党と政治家の思惑や今後の展開を読んでくれます。

「次の手はこうではないか」「もしこう動けば、ああなるはず」「でも、こういう場合もありうる」 

 消費税増税法案の成立をめぐって、政党や政治家同士の腹のさぐりあいに、気がつくとナゼカ一緒になって参加させられてしまっている私。巻き込まれている国民。

  税金で雇われている政治家が、山ほどある仕事をほったらかしてやって血道をあげている権力闘争。どう見てもその目的は、自分の「利得」だけ。知れば知るほど、考えれば考えるほど、どうでもいい話。聞いているうちに「いいかげんにしろ」と叫びたくなってくる。

  わかりにくかった政治を細かくボードで解説すればするほど、その政治話が実はいかに私たちとは無縁な、無内容な情報だったのかが透けて見えてしまう。むかつく。馬鹿馬鹿しさがつのるばかりだと、露呈してしまうのです。

 やはりTBSの、朝の番組「「みのもんたの朝ズバッ!」では、奇しくも大新聞の政治記者が、「もうこんな権力闘争はやめましょうよ」と本音をポロリ。それに対して政治部部長がまたまた本音で答えてくれました。「でもそれを取材するのが私の仕事なので……」

 みんながうんざりしている政局話。なのに、誰も止められない不思議。止めてくれる人がいたら、その人にこそ、次の首相になってほしい。そう願っている人は私だけではないのでは。

関連キーワード

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン