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野中柊さん 童話手掛けるようになり「夢は忘れた頃に叶う」

 野中柊さん(47才)が小説家になってから、はや20年を超えた。主に書き下ろし作品を発表していた初期のころと比べ、最近では連載の仕事が中心になっている。「きわめて怠惰な性格なので、連載は不向き」と思っていたが、やり始めると、自分自身の生活の中で起こる変化が小説にも反映され、面白いのだという。

 このほど上梓した『彼女の存在、その破片』(小学館刊)では、失踪した恋人の生涯に関わった男女を訪ねて歩く男性が、彼女の破片を探し求める恋愛ミステリー小説だ。

「ここ数年は小説やエッセイだけじゃなく、童話も書いています。『パンダのポンポン』というシリーズは、もう7巻目になりました。人生も執筆も、自分で限界を決めずに、いろんなことにチャレンジしたいって欲が出ています。

 もちろん、あれ? いつのまにか、年取っちゃったんだなあ、若いときほど身軽じゃなくなったなあ、やばい、体力も落ちてきてる?と思うときもあるけれど(笑い)、その一方で、年齢を重ねなければ書けなかったものが書けたときの喜びは大きいです。何事によらずコツコツと長く続けていくことが大切だな、と思いますね」(野中さん)

 小学校の卒業文集で書いた将来の夢は「童話作家になること」。

「佐藤さとるさんのコロボックルシリーズが大好きだったんです。でも童話作家になるのは難しいだろうなぁと子供心に思っていました。それが、コツコツと書き続けていたら、童話も手掛けられるようになって。夢って忘れたころに叶うものなんですね」(野中さん)

 近所の公園でウオーキングしたり、早起きしてラジオ体操に参加することもあるという。夜、眠る前には、料理のレシピを読んでリラックス。

「料理ってドラマチック。レシピの中に、完成された物語がある。だから、読むのが楽しくって! 眠る前にお腹が空いてしまうのが、ちょっと困りものですが(笑い)」(野中さん)

 肩の力を抜いて好きなことをコツコツと続け、日常の中でささやかな、でも無限大の喜びを見出す――野中さんの生き方術は、R40~50女性の参考にもなりそうだ。

※女性セブン2012年7月5日号

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