国際情報

北朝鮮の核実験 月曜日に行われる可能性が高いと専門家指摘

 北朝鮮では過去2回、ミサイル発射実験から数か月以内に核実験が行なわれてきた。今回、北朝鮮は核実験の可能性を否定しているが、もちろんそれを鵜呑みにはできない。そんな中、ジャーナリストの惠谷治氏が重要な情報をキャッチした。

 * * *
 北朝鮮の核管理(核のボタン)は本誌で幾度か紹介してきたように、旧ソ連が用いた「PAL(パーミッション・アクション・リンクス)」と呼ばれるシステムを導入していると思われる。全ての核兵器施設や装置に電子ロックが何重にも装備され、KGB将校が「安全装置解除コード」を入力しない限り、格納庫の扉の開閉や起爆装置の起動ができない仕組みだ。

 北朝鮮の核は“北朝鮮版KGB”と言われる国家安全保衛部(秘密警察)が管理していることは、脱北者らの証言で明らかになっている。金正日の死後、PAL方式の「安全装置解除コード」を知るのは、金正恩のほかに国家安全保衛部の実質トップだった第一副部長の禹東則のみとなった。

 しかし、4月の人事では、禹東則は国防委員を解任され、党政治局を離れ、総政治局組織担当副局長だった金元弘大将が国家安全保衛部長に新任された。韓国情報によれば、禹東則は脳出血で倒れたと言われているが、権力闘争に敗れた可能性も否定できない。

 いずれにせよ、金元弘が国家安全保衛部長に就任した時点で、PAL方式のコードは更新され、金正恩と金元弘の2人が握ったと考えられる。また、金正日亡き後の真の権力者である金慶喜もPALコードを握った可能性がある。

 北朝鮮の過去2回の核実験は、ミサイル実験とセットで3か月以内に実施されている。信頼すべき情報当局者は、実施日についてこう表現した。

「注意すべきは月曜日です」

 その言葉を聞いた時は理解できなかったが、調べてみると、1回目の核実験(2006年10月9日)も2回目(2009年5月25日)も、そして今年4月30日のいずれもが月曜日であることが判明した。

 よって核実験は、月曜日に行なわれる可能性が高いが、その理由は不明である。

※SAPIO2012年6月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン