国内

日常的だった大津のいじめ 教室内の同級生も「怖かった」

 滋賀県大津市で中学2年生の男子生徒がいじめを原因に自殺した問題で、これまで以下のような証言が、生徒、あるいは保護者を通じてメディアに流れている。

「体育祭の日、陸上競技場で観客席の鉄柵に縛りつけられて、いつもの3人から『でかい声で万引きしましたっていえや』と怒鳴られとった」
「泣きながら『万引きしました』っていうところを、3人が喜んで、携帯の動画で撮影してた」
「押さえつけられて、蜂を食わされそうになった」

 男子生徒が縛りつけられた体育祭があったのは、自殺の2週間ほど前だ。いじめグループから、再三万引きを強要されていたと話す同級生もいる。

 こうしたいじめに対し、男子生徒の父親は、暴行、恐喝、脅迫など6つの容疑で、加害生徒を大津署に告訴。7月18日に同署に受理された。捜査の対象となる加害少年は3人。

 リーダー格は高台の高級住宅地に住むAで、小学校のころから成績優秀な模範生だった。学校行事に協力的な母親は、PTA会長を務めたこともある地域の顔役だ。Aと同じ住宅地に住むBも、医学部出身の父を持つ裕福な家庭である。Cのみは両親の離婚、養育者である母の再婚という、やや入りくんだ事情を抱えていた。

 この3人組に引きこまれる格好で男子生徒がオンラインゲームの仲間に加わったのは、昨年の夏だったという。同級生たちの話から、以降の学校生活が浮かび上がる。

「トイレや廊下で殴られたり蹴られたり。顔や腹には青たんができとった」
「教科書や成績表も破られていた」
「パンツごとズボンを脱がされることもしょっちゅうやった」

 男子生徒が多額の金を口座から引き出し、さらに祖父母の財布からも抜きとった使途不明金があることも判明している。総額は40万円にもおよぶ。さらには自殺の数日前、いじめグループの2人が男子生徒の部屋に押し入り、室内をめちゃくちゃに荒らしてもいる。

 3人組の暴行、恐喝は、ひと目をはばかることなく、日常的だったのである。同級生のある母親は、教室内にいた大勢の「傍観者」の心中を代弁した。

「たしかに息子は当事者の近くにはいましたけど、最初はいじめかどうかよくわからなかったようですし、へたにかかわって自分がいじめの対象になることも怖かった。まぁ、このことは自分には関係ないとどこかで思ってたみたいですね」

※女性セブン2012年8月9日号

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン