国際情報

就職難の中国で日系企業就職説明会中止に学生の不満が高まる

 中国新聞網などが伝えたところによると、尖閣諸島問題をめぐる激しい反日デモや反日気運の高まりで、北京や上海など中国各地での日本企業による就職説明会が中止に追い込まれている。大学側が一方的に中止する場合もあるが、日系企業もキャンパス内での活動を自粛したり、敬遠するケースも目立っているという。

 中国の名門大学、北京大学や清華大学では通常、新学期が始まる9月から毎月、日系企業による就職説明会が開催されているが、今年はインターネットなどで中止の通知が伝えられている。

 中止の説明や今後の説明会の開催予定などは一切なく、「折角、日本語を専攻したのに就職できなくなるかも…」と不安がある学生が多い。

 これについて、日系企業の就職担当者は「大学側からキャンパス内での説明会開催は当面、見合わせるようにとの連絡があった。その理由は明らかにされていない」と述べて、大学側の判断であると説明する。

 このため、キャンパスの外で就職説明会を開く企業もあるが、今後の中国内での事業計画が不確定なため、採用活動を自粛する企業が大半だ。

 ある企業関係者は「反日気運が高まっていることもあって、キャンパス内で会社説明をすると暴力を受ける可能性もあり、活動を敬遠せざるを得ない雰囲気だ」と語る。

 このため、例年ならば、本社から北京などに就職担当者を送り込む企業側も「今年は中国便のフライトが中止になったり、担当者の安全も考えなければいけないこともあったりで、当分本社から人員を出さない方針だ。駐在員が個別にリクルートすることになるのでは…」と指摘する。

 しかし、ある駐在員は「日常業務もあり、採用活動まで手が回らない。しばらくは静観するしかない」とあきらめ顔だ。

 日本語専攻のある学生は「尖閣問題が影響しているのは間違いないが、われわれの就職とは何の関係もないはず。政府が早く適切な対応をとるべきだ」と主張する。とはいえ、今後の日中関係も一層険悪化することは必至な状況だけに、尖閣問題は一朝一夕に解決しそうもない。

 中国では大学生の就職難が大きな社会問題になっており、尖閣問題がめぐり巡って、就職できない学生らによる大規模なデモに発展し、「第2の天安門事件」が発生する可能性もあながち否定できない情勢だ。中国は尖閣問題で、自分で自分の首を絞めることにもなる怖れもあるのだ。

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