スポーツ

岡田武史氏の中国サッカーチームに「中田英寿移籍」のデマ

〈岡田監督の杭州緑城が中田英寿を招聘〉

 こんな見出しが某スポーツ紙に躍ったのは、中国の反日デモ報道もさめやらぬ9月末のことだった。

「まさかねぇ」と半信半疑で中国在住の記者に問い合わせると、中国メディアでは中田氏の写真入りで大々的に報じられていたことが判明した。いわく、

〈岡田武史続投で中田英寿を招聘、選手獲得資金に300万ドル〉〈4000万元の予算を組んでいる〉と書いているメディアも。

 これを受けて、中国版ツイッター『微博』上では、〈オレたちは反日運動で日本製品をボイコットしてるのに、杭州緑城は中田に4000万元かよ!〉などと、不満を表わす書き込みも出始めた。

 これは、ひょっとしてひょっとするかも……。そこで、杭州緑城のチーム関係者を直撃すると、

「どうしてこんな話が出てきたのか、さっぱりわからない。中田サイドからも『なんでこんな記事が出てるんですか』と問い合わせがきて、とても困っている」

 と首を捻るばかり。さらに中国メディアに名前入りでコメントを載せていた別の関係者は、あきれた表情でこう話す。

「岡田監督と杭州緑城の宋社長が、食事しながら個人的に雑談したときに、『中田が来てくれたらいいな』という話が出たらしい。あくまでも仮定の話で、実際に中田が来る可能性は限りなくゼロに近い。記事にオレの名前も出てたらしいけど、そんな話してないよ。中国メディアはウソが多いんだよ。知ってるだろ?」

 どうやら雑談のなかで出た話題に尾ひれがついただけの、デマだったようだ。しかし、記事を読んだファンは「世界のナカタ」の入団話にさぞ興奮しているのではあるまいか。杭州緑城のサポーターに話を聞いてみた。

「中田はまあまあ有名だけど、中国にはもっと有名な選手もいっぱい来てるしね」

「サポーターの間でも大した話題にはなってないよ。それより尖閣問題のほうが気になるし。中田だってこんな時期に来たくないんじゃない?」

 中国紙の大きな扱いの割には低いテンション。最初からウソだらけの報道なんてもともと信じていなかったのかも。デマを広げちゃった皆さん、中国の報道には気を付けましょうね。

※週刊ポスト2012年10月26日号

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