国内

すでに与党になると予測か 財務省幹部が安倍晋三氏自宅訪問

 民主・自民両党は、臨時国会の開会時期、特例公債法案、さらには解散の確約と、激しい攻防戦を繰り広げているかのように見える。が、それは見せかけにすぎない。この2大政党は“敵失”を罵り合うことで、自らの足下がガタガタなのを何とか目立たせないようにするのに四苦八苦している。内情を知る政治記者と議員秘書が「お寒い内情」を暴露する。

司会:民主、自民の人材払底は役人には好都合。野田傀儡政権の先行きを見切った霞が関は、自民党の政権復帰に向けて動いている。

政治部記者A:すごいのは財務省の“安倍詣で”。まだ総裁選のさなかで、「決選投票で安倍総裁」という見通しが出始めていた時期、安倍邸に夜回り取材に行くと、マンションの前で中年のおじさんが待っている。よく見ると、財務省の田中一穂・主税局長だった。安倍氏の周囲には増税より経済成長を重視する上げ潮派の議員が多いから、総裁になる前からレクチャーに来ていたのだろうが、税制のトップである主税局長が自ら夜回りするなんて聞いたことがない。

自民党秘書B:確かに官僚は掌を返して自民党に擦り寄ってきた。野党になってから3年、一番悲哀を感じたのは、役所から政策や法案の説明に来るのが課長補佐クラスに降格し、簡単なペーパーをおいていくだけだったこと。それが今は最低でも課長、党の幹部には局長クラスが直接、「ご説明」といってくる。もう政権復帰したような扱いだ。

政治部記者A:長年与党だった自民党は官僚に政策づくりを任せてきたから、党の政務調査会に立法能力が全くない。野党になってからも重要な議員立法を役所につくってもらっているのが実情だ。

政治部記者C:そんな自民党の政権復帰を一番期待しているのは国交省。「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権下で公共事業費を減らされてきただけに、防災・減災のインフラ整備に10年間で200兆円を投資するという自民党の国土強靭化基本法案は天の恵み。

 省内では、「強靭」という言葉が流行語になっていて、ある局長は、民主党の大臣が出席した局長会議で「これらを強靭なものにしなければ」とうっかり発言し、わざわざ「これは自民党のことではなく」と打ち消していた。

自民党秘書B:期待だけではなく、政策面でも自民党政権時代に戻っている。国交省はさる9月19日、総事業費4兆円ともいわれる首都高速の都心環状線の地下化構想というビッグプロジェクトを打ち出したが、それを検討した有識者会議(首都高速の再生に関する有識者会議)の座長は「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の代表発起人で、安倍ブレーンとして知られる政治評論家の三宅久之氏だ。

 有識者会議のメンバーは素人ぞろいで、国交省の事務方が案をつくった。明らかに、自民党政権になれば役所の敷いた公共事業拡大路線を取ることをあてこんだものだ。

※週刊ポスト2012年11月2日号

関連キーワード

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン