ライフ

体罰はしつけではない 「叩く・怒鳴るはマイナス」と専門家

 お笑いコンビ・クワバタオハラのくわばたりえ(36才)が、10月23日放送の『解決!ナイナイアンサー お騒がせ芸能人がアノお悩みを初告白SP』(日本テレビ系)で、「子供を怒鳴って、時には手を出す自分が嫌になる」と告白した。

「顔叩いたら、腫れてバレたら嫌やからと思って、思いっきりお尻叩くようになった。ちょっとした虐待やん、みたいな…。今やってることが虐待なんか、ようわからんようになることがある」

 と、明かしたくわばたは、その後、自身のブログで育児に関する悩みを綴り、多くのママたちからのコメントが寄せられる状況となっている。

 そもそも“虐待”とは何なのか。著書に『子ども虐待』『子どものトラウマ』(いずれも講談社現代新書)がある山梨県立大学の西澤哲教授が、虐待の定義をこう説明する。

「今の日本の法律では、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待という4つの定義があります。一方で、心理学、臨床福祉学の立場からすると、子どものしつけのためと言っていても、それが親の欲求を満たす行為であれば、子どもとの関係を乱用している、つまり子ども虐待となります。例えば、子どもを叩くことで何らかの八つ当たりをしている場合とか、力づくで言うことをきかせることによって自分は親としてちゃんとやれてるんだという思いを得たいとかです」

 西澤教授によれば、そもそもしつけには体罰は含まれないので、虐待との境界線は存在しないという。

「日本では明治以降に、体罰がしつけの第一手段と考えられるようになりましたが、本来は違う。子どもが不機嫌になり泣きやまない時、泣きやまない理由を尋ねて一緒に考えるのがしつけ。力を用いて、一時的に泣きやませるようにするのとは違います。

 怒鳴ったり叩いても、プラスはなくマイナスでしかない。叩かれ続けると痛みに鈍感になります。そうすると他人の痛みにも鈍感になるので、自分の子どもにも暴力を用いるようになるんです。“だってぼくも大丈夫だったし”って。

 最近の親は、体罰をしないから子どもがつけあがる”ということを言うかたもいらっしゃいますが、世界的にも、体罰に対して否定的になっています。スウェーデンやデンマークは、子どもに対するあらゆる暴力が法律で禁じられており、実際、虐待も減ってきています」(前出・西澤教授)

※女性セブン2012年11月15日号

関連記事

トピックス

タレントでミュージシャンの桑野信義(HPより)
《体重58キロに激減も…》桑野信義が大腸がん乗り越え、スリムな“イケオジ”に変貌 本人が明かしていた現在の生活
NEWSポストセブン
総裁選の”大本命”と呼び声高い小泉進次郎氏(44)
《“坊ちゃん刈り”写真も》小泉進次郎と20年以上の親交、地元・横須賀の理容店店主が語った総裁選出馬への本音「周りのおだてすぎもよくない」「進ちゃんは総理にはまだ若い」
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
《2人の信者が入水自殺》「こいつも死んでました」「やばいな、宇宙の名場面!」占い師・濱田淑恵被告(63)と信者たちが笑いはしゃぐ“衝撃音声”【共謀した女性信者2人の公判】
NEWSポストセブン
雅子さまの定番コーデをチェック(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《“定番コーデ”をチェック》雅子さまと紀子さまのファッションはどこが違うのか? 帽子やジャケット、色選びにみるおふたりの“こだわり”
NEWSポストセブン
ハロウィーンの2024年10月31日、封鎖された東京・歌舞伎町の広場(時事通信フォト)
《閉鎖しても何も解決しない》本家のトー横が縮小する中、全国各地に”ミニトー横”が出現 「追い出しても集まる」が繰り返されている現実 
NEWSポストセブン
「慰霊の旅」で長崎県を訪問された天皇ご一家(2025年9月、長崎県。撮影/JMPA) 
《「慰霊の旅」を締めくくる》天皇皇后両陛下と愛子さま、長崎をご訪問 愛子さまに引き継がれていく、両陛下の平和への思い 
女性セブン
おぎやはぎ・矢作兼と石橋貴明(インスタグラムより)
《7キロくらい痩せた》石橋貴明の“病状”を明かした「おぎやはぎ」矢作兼の意図、後輩芸人が気を揉む恒例「誕生日会」開催
NEWSポストセブン
イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
「一体何があったんだ…」米倉涼子、相次ぐイベント出演“ドタキャン”に業界関係者が困惑
NEWSポストセブン
エドワード王子夫妻を出迎えられた天皇皇后両陛下(2025年9月19日、写真/AFLO)
《エドワード王子夫妻をお出迎え》皇后雅子さまが「白」で天皇陛下とリンクコーデ 異素材を組み合わせて“メリハリ”を演出
NEWSポストセブン
「LUNA SEA」のドラマー・真矢、妻の元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《大腸がんと脳腫瘍公表》「痩せた…」「顔認証でスマホを開くのも大変みたい」LUNA SEA真矢の実兄が明かした“病状”と元モー娘。妻・石黒彩からの“気丈な言葉”
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ハワイ別荘・泥沼訴訟を深堀り》大谷翔平が真美子さんと娘をめぐって“許せなかった一線”…原告の日本人女性は「(大谷サイドが)不法に妨害した」と主張
NEWSポストセブン
須藤被告(左)と野崎さん(右)
《紀州のドン・ファンの遺言書》元妻が「約6億5000万円ゲット」の可能性…「ゴム手袋をつけて初夜」法廷で主張されていた野崎さんとの“異様な関係性”
NEWSポストセブン