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大谷獲りの日ハム 熱意の裏に隠された“大人の事情”とは?

 メジャー挑戦を表明したものの、北海道日本ハムファイターズが高校球界屈指の右腕・大谷翔平(花巻東)にこだわった理由は、即戦力としての魅力からだろうか。その答えは、「NO」である。

 今季、高卒ルーキーで初勝利を挙げたのは、釜田佳直(楽天)と武田翔太(ソフトバンク)だけ。あのダルビッシュですら、1年目は5勝止まりだった。松坂大輔や田中将大のような例外はあるが、一般的に球界では高卒ルーキーはそもそも頭数に入らない。

 それよりも大きいのが「大人の事情」だ。 まず、日ハム側には「是が非でも入団させたい事情がある」というのは、球団関係者だ。

「日ハムは昨年も東海大の菅野智之(巨人)を強行1位指名して失敗している。いくら一番いい選手を獲りにいくという方針とはいえ、2年連続でドラフト1位を逃せば、ファンに申し開き出来ないし、山田正雄GMの責任問題になりかねない」

 加えて、栗山新体制の下でリーグ優勝を遂げたにもかかわらず、本拠地・札幌ドームの動員数が減少しているのだ。ダルビッシュが在籍した過去3年は1試合平均2万7000人だったが、今季は2万5000人とダウン、今季のCSファイナルステージでも空席が目立っていた。

 そこで、目を付けたのが、高校通算56本塁打と打者としても非凡な才能を見せる大谷だった。栗山監督も「登板のない日はDHで打者として起用する」と語り、珍しい“二刀流”を集客力アップに繋げたい考えだ。

※週刊ポスト2012年12月21・28日号

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