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69連勝双葉山 神々しい体はリーダーとして完璧とやくみつる

 各界の識者に日本史上最高のリーダーというテーマで「週刊ポスト」がおこなった緊急アンケート。歴史上の偉人や幕末の志士、政治家が並ぶなか、漫画家のやくみつる氏は、第35代横綱・双葉山定次こと、時津風定次を選出した理由を解説した。

 * * *
 私が時津風定次の名をあげた大きな理由は、今回登場するであろう多くの人物とは違って、ふたつの要素があるところ。

 まずは双葉山としての現役時代。太平洋戦争という、歴史上最大ともいえる国難に際して、軍神にも似た存在として、国民の精神的リーダーであったこと。金甌無欠な不敗の象徴、絶対に負けない誰にも冒されない双葉山。常勝を願う国民にとっては完璧な存在だったわけです。

 つけたせば、人がそこに神を見出すためには、異形ではだめなんです。双葉山を見てください。切れ長の眼、髷や額のラインの美しさ、腹の張り具合を含めた身体の線の見事さ……、これだけ神々しいからこそ、国民の精神的リーダーになれたのです。

 時津風理事長となってからは、実務面で強力な統率能力のあるところを見せました。例えば、昭和40年1月場所から部屋別総当り制を実施したこと。

 当時は一門の対戦はないというシステムで、ファンの望む取り組みが見られなかった。ところがそのことによって横綱栃ノ海(春日野部屋)対大関佐田の山(出羽海部屋)といった数多くの夢の一番が実現したんですからね。俺のいうことに誰も文句がいえまいという、強いリーダーだからこそできたことです。

※週刊ポスト2012年12月21・28日号

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