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李登輝氏 中国を「カネあるから威張る底の浅い成金」と評す

 尖閣問題、反日デモをはじめ、2012年の日本は中国に翻弄された。習近平体制へと移行する中、日本はどう対峙すべきか。総統時代、中国に毅然と向き合い、台湾の独立と民主化を守り続けた李登輝氏が現在の中国について分析する。

 * * *
 習近平が中国共産党総書記に就任するや否や、日本ではその人物像などから、今後の政策を占おうとしている。彼のこれまでの発言や態度を見て、対日政策に大きな変化があるのではと推測し、生い立ちなどから人となりを理解しようとしている。

 しかし、中国では誰であろうと指導者になれば、“中国の指導者”になるだけで、個人の人格にあまり意味はない。習近平も同じで、今後は指導者の地位を保ち、共産党体制を維持するために邁進するだろう。

 現在の中国はいわば“成金”のようなものだ。国際社会からその経済力に見合った貢献を求められると、「我々はまだ貧しい」と言い訳する。しかし、その一方で、経済力を背景にした周辺国への覇権主義的な内政干渉を繰り返している。ベトナムから西沙諸島を奪い、南沙諸島でフィリピンが領有していた地域に手を出し、日本の尖閣諸島の領有まで主張している。

 そもそも中国は、国際関係における儀礼や大国としての外交経験が決定的に不足しているため、どう振る舞うべきかがわからないのだ。「カネがあるからとにかく威張る」というのは、底の浅い成金の姿である。  

※SAPIO2013年1月号

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