スポーツ

広岡達朗氏「人工芝でエラーするヤツの気がしれんね」と発言

 日本プロ野球黎明期に、グラウンドを彩った選手たちが、もし現代のプロ野球に甦ったら――? そんな夢のようなテーマを元に、往年の名選手に話を聞いた。それぞれの口から語られたのは、単なる妄言ではない。昔と今の違いとして、「環境の良化」を挙げるのは、華麗な遊撃の守備で巨人のV9を支えた広岡達朗氏(80)。広岡氏はこう語る。

「人工芝でエラーするヤツの気がしれんね。我々が苦労したのは、整備されてない土のグラウンド。ランナーの足跡は残るし、石ころだって落ちている。それを見つけてならすのも仕事だった。そこが自分の仕事場になるんだから」

 人工芝は球速が速くなるというが、土のグラウンドでボテボテになるゴロの方が処理は難しい。

「今の野球では、上手に捕って投げる選手はいるが、よく突っ込んだと感動するようなプレーは見られない。選手が悪いというよりは、人工芝のグラウンドが選手の技術を低下させたんです」

 入団時の一塁手は、“打撃の神様”こと川上哲治氏。

「川上さんには“送球はこの範囲(胸周辺)しか捕らないからな”といわれていたし、実際に試合でも捕ってくれなかった(笑い)。土のグラウンドではイレギュラーになって、慌てて捕れば暴投になる。

 だから球が来る前に捕球姿勢を整え、丁寧に処理することを覚えた。ボクも人工芝でスタートしていれば、あんなに丁寧にゴロを捕ってなかっただろうね。ボクも含め、王、長嶋が守れば、今の野球ならエラーはゼロだよ」

※週刊ポスト2013年1月1・11日号

関連記事

トピックス

トランプ米大統領と高市早苗首相(写真・左/Getty Images、右/時事通信フォト)
《トランプ大統領への仕草に賛否》高市首相、「媚びている」「恥ずかしい」と批判される米軍基地での“飛び跳ね” どう振る舞えば批判されなかったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
アメリカ・オハイオ州のクリーブランドで5歳の少女が意識不明の状態で発見された(被害者の母親のFacebook /オハイオ州の街並みはサンプルです)
【全米が震撼】「髪の毛を抜かれ、口や陰部に棒を突っ込まれた」5歳の少女の母親が訴えた9歳と10歳の加害者による残虐な犯行、少年司法に対しオンライン署名が広がる
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《新恋人発覚の安達祐実》沈黙の元夫・井戸田潤、現妻と「19歳娘」で3ショット…卒業式にも参加する“これからの家族の距離感”
NEWSポストセブン
キム・カーダシアン(45)(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストの元妻の下着ブランド》直毛、縮れ毛など12種類…“ヘア付きTバックショーツ”を発売し即完売 日本円にして6300円
NEWSポストセブン
2025年10月23日、盛岡市中心部にあらわれたクマ(岩手日報/共同通信イメージズ)
《千島列島の“白いヒグマ”に見える「熊の特異な生態」》「冬眠」と「交雑繁殖」で寒冷地にも急激な温暖化にも対応済み
NEWSポストセブン
中村雅俊が松田優作との思い出などを振り返る(撮影/塩原 洋)
《中村雅俊が語る“俺たちの時代”》松田優作との共演を振り返る「よく説教され、ライブに来ては『おまえ歌をやめろよ』と言われた」
週刊ポスト
レフェリー時代の笹崎さん(共同通信社)
《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  
女性セブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン