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「街コン」仕掛人 「被災地で街コンやりたい」と計画明かす

「街コンを一時のブームという人もいますが、私は今や日本の文化になりつつあると思っています」

 そう語るのは、『街コンを仕掛けてみたらビジネスチャンスが見えてきた』(ワニブックス)の著者・吉弘和正さん(43才)。街コンを人気イベントへと成長させた“仕掛人”だ。全国初の街コン公式ポータルサイト「街コンジャパン」の運営をしながら、街コンの企画、コンサルティングなどを手掛けている。

 そもそも街コンとは、ひとつの街を舞台に参加者が複数の飲食店を食べ飲み歩きしながら行われる大規模合コンのこと。参加人数は、数百人から最近では2000人以上の規模のものも。

 著者が街コンを手掛けることになったのは、約20年前にアメリカの大学に留学した経験が深く関係している。

「私が通っていた大学に隣接する学生街には“パーティー通り”と呼ばれるところがあって、毎日どこかでパーティーが開催されていました。学生のパーティーから豪邸で開催されるホームパーティーまでさまざまなパーティーに参加しました。主催者のお客へのおもてなしが素晴らしく、本当に楽しかったです。主催者が、友達を紹介してくれたり、食べ物を持ってきてくれたりと、気遣いに感動しました」(吉弘さん・以下同)

 在学中、アメリカで仕入れた古着などを日本に輸出するビジネスを始め、ビジネスのイロハを学んだ。卒業後、現地や日本の企業での勤務、イギリス留学などを経て、37才で日本に再び帰国した。

「東京で生活し始めたのですが、知人が少なかったこともあり、交友関係を広げるために色々なパーティーに参加してみました」

 ところが、そのパーティーのクオリティーの低さにガッカリしたという。

「主催者は、人が集まると満足してしまい、ホスピタリティーの精神が感じられなかった。アメリカで経験したパーティーと違い、お客さんに楽しんでもらおうという気持ちがなかったのです」

 また、3対3などの少人数で開催される合コンも好きではなかった。一度に数人しか会えないため非常に効率が悪いのと、知り合いの紹介で合コンを定期的に開催していると、以前会った人に会ってしまうことも。

 それならと、自分がアメリカで経験したような楽しいパーティーを開催しようと、まずは15人位のホームパーティーを開催。やがては500人規模のものも仕切るように。しかし、参加者が増えたことで徐々に課題も見つかるように。

「ひとつの会場で開催される大規模のパーティーは、人数の多さに圧倒されてしまう人もいます」

 試行錯誤を続けていたとき、偶然見たのが大型合コン、巨大コンなどと呼ばれるイベントの報道だった。一昨年の春のことだった。

「これだと思いました。複数の店を食べ歩いて交流することで、全体的には大規模なまま、個々の店では少人数で交流できる。ひとつの街を会場にして複数の店舗を貸し切ることで地域の活性化にもつながる」

 このイベントを全国に普及させるために、全国の街コン開催情報が一目でわかるポータルサイトを立ち上げた。その後、会社を設立。一昨年は年間100回程度の開催回数だった街コンは、昨年は2000回に達するまでになった。

 今はシニアを対象にした街コンや海外での開催など、新しい形の街コンを手掛け“街おこし”をしていきたいと語る。

「今後、被災地での街コンもやっていきたいです。私が街コンを始めたのは、東日本大震災のあった年で、自粛ムードが広がっていた。そんなときだからこそ、日本を元気にしたいという思いも強かった。

 被災地の復興にはさまざまなハードルがあると思いますが、笑顔、人と人の絆は絶対に必要です。もちろん経済の活性化もなくてはならない。さまざまな課題をクリアしていくために必要なものが、街コンにはあると思います」

※女性セブン2013年4月4日号

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