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サラリーマンが愛する巣穴で女将の笑顔肴に角打ちできる幸せ

サラリーマンを迎える3代目女将の友野敏子さん(63)

 大正3年(1913年)の創業で、ちょうど今年が100周年の『武蔵屋酒店』。角打ちを始めたのが昭和27年(1952年)ということで、こちらももう60年の歴史を積み重ねている。

「ここの娘だから、小学生の頃からその風景は見てきました。国鉄マンや大井港で働く人たちが仕事を終えるとすぐに飛んできて、いつも賑わっていましたね。当時は荒っぽいお客さんもいましたが、最近はやさしくて楽しい人ばっかり」と、女将の友野敏子さん(63)。

 店は、「ふたりで、こじんまりとやろう」という夫婦の決断により、平成22年に8階建てに建てかえられたビルの1階に入った。いっぱいになっても15人ほどと、広さがそれまでの半分になっている。

飲食店が新しくなると、雰囲気が悪くなったの味が落ちたのといった悪評がたち、客離れする例が少なくないが、この店は違った。

「いつ来ても同じ温かさで包んでくれる場所でね。ここにいるだけで気持ちがいいんです。夕方を過ぎるとほろ酔い動物になるぼくらサラリーマンにとって、広かった時代も懐かしいけど、当時以上に快適な巣穴になりましたね」(50代)

「ラーメン屋やレストランじゃないんだから、そんな悪評は無縁だね。新しくなろうと狭くなろうと、うまい酒を安く飲めるというこの店のよさは変わらないんだから。それより、女将さんをはじめ、ここでしょっちゅう会う人たちの顔が近くなって、前より楽しくなっちゃったと思うんだけどな」(40代)

 といった声に代表されるように、やさしいサラリーマンたちには、逆に、好感度が増した。

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