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50代からはカロリー制限ではなく糖質制限がいいと専門家主張

 糖質だけを制限する糖質オフダイエットに関して、健康被害についての危険性が指摘され、賛否両論の紛争がずっと続いてきた。そのなかで、日本糖尿病学会が否定的な公式見解を発表した。

 欧米で実践されていたという糖質オフダイエットが日本に導入されたのは1999年。日本における提唱者で、京都・高雄病院の江部康二理事長が、痩せるメカニズムを説明する。

「糖質を摂れば血糖値が上がります。体内では血糖値を下げようと、インスリンが大量に分泌されます。インスリンは、“肥満ホルモン”といわれ、エネルギーとして使われなかった血糖を脂肪に変えてしまうんです。糖質オフダイエットは、糖質を制限することで、血糖値の上昇を防ぎ、インスリンの分泌を抑えるんです」

 東京医科歯科大学の藤田紘一郎名誉教授は、50代からの糖質オフダイエットをすすめている。

「50才を過ぎて、糖分を多く摂ると、体内のたんぱく質と反応して、体の老化を促進させる『糖化現象』を引き起こすんです。そういった理由もあって、50代からは、カロリー制限食ではなく、糖質制限食がいいのです」

 だが一方で、健康被害を危ぶむ声が上がっているのも事実。前述の江部理事長は、こう反論する。まず「総エネルギー摂取量の制限を最優先」については、

「欧米には糖質オフダイエットで体重が減るという論文があり、逆にカロリー制限食ではうまくいかないという論文があるほどです」

 さらに、「安全性を示す科学的根拠がない」という指摘については、「正しい」と認めた上で、

「カロリー制限食の場合も安全性に関する根拠はないんですよ」(江部氏)と指摘した。

 最後に欧米人と日本人の体質の違いについては、こう主張。

「肥満の要因は、欧米人でも日本人でも一緒です。ともに糖質の頻回(回数が多いこと)・過剰摂取によるインスリンの頻回・過剰分泌が元凶です。太る理由が一緒なら、痩せる理由も一緒のはずです」(江部氏)

※女性セブン2013年4月11日号

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