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閉店間際の値引き狙う倹約妻 父子待たせ夕飯は毎日20時過ぎ

 夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、不動産会社勤務のご主人(48歳)。奥様(49歳)は週3ペースでデパ地下通いです。

 * * *
 野菜は近くのスーパーの方が圧倒的に安いんですが、女房の話だと、消費期限が近い野菜を集めた「お買い得セット」があるらしいんです。ネギやブロッコリーの7点セットで、実際は1400円ほどなのに、これがたったの300円。デパートの紙袋に入れてくれるので、近所の奥様たちからは「野菜もデパ地下なの! お宅って裕福なのねぇ」と羨ましがられるのだとか。

 女房のもうひとつの狙いは、夜8時閉店間際の値引きです。7時頃から、3~5割引きになるそうなんですが、困るのは夕食の時間が8時を過ぎてしまうこと。「アナタ、30%引きのイベリコ豚を買ってから料理するわね。待ってて」大学生の息子はバイトでいないし、僕ひとり、お腹をすかして、帰りを待ちます。

 この前なんか、いつもは8時に帰るはずの女房が戻らないので、「どうしたんだろう?」と思っていたら、電話があり、「アッタマ来たわ! 係の男が私を見て、値引きのシールを貼る手を引っ込めちゃったの! 私、閉店まで粘るからね!」

 女房が帰宅したのは9時過ぎ。「粘り勝ちよ!」って、もういいよ、お腹すき過ぎて、インスタントラーメン作って食べたから。

※週刊ポスト2013年4月26日号

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