ビジネス

世界統一賃金に中国のユニクロ30代店長「働きがいがある」

「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、「世界統一賃金構想」を練っていると報じられ(朝日新聞4月23日付)、反響を呼んでいる。もし世界統一賃金構想が実現した場合、日本人社員はどんな影響を受けるのか?

 第1に、仕事ぶりは世界中の社員と比較された上で評価されることになる。ライバルが増加することで、社内における競争が激化することは間違いない。第2に、日本人の賃金が低下する可能性がある。経済誌『月刊BOSS』の主幹・関慎夫氏が指摘する。

「ユニクロのような薄利多売の業態の売り上げを考えると、1人あたりに払える人件費は今後もそれほど変わらないことが予想される。そのなかでもし賃金を統一しようとすれば、新興国では高水準の給与を払うことになり、そのコスト分は給与水準の高い日本人社員の給与から削る公算が高い」

 それに対しユニクロ側は、「世界中から一流の人材を採りたいと考えているので、もしコスト削減を余儀なくされる事態でも、他の部分で経費を削り人件費に手をつけるのは最後の最後。現状では人件費を下げることは考えていない」(ファーストリテイリングのコーポレート広報部・古川啓滋部長)という。世界中で一流の人材を採用する――。それこそが、ユニクロが世界同一賃金を打ち出した最大の理由だ。

 本誌は、中国で働くユニクロの社員に話を聞いた。大都市にある店舗の30代店長は溌剌とした表情でこう話した。

「(世界統一賃金は)歓迎しています。本社がある日本と同じ水準になれば、大きく給料が上がるでしょうから。ユニクロの社員は世界中で働くチャンスがある、働きがいのある会社です」

※週刊ポスト2013年5月17日号

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン