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スタジオ中が感動 ナイトスクープ「23年会話なし夫婦」とは

2013.05.10 07:00

 4月5日に放送された『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)のあるエピソードが話題となっている。それは、奈良県に住む18歳の青年からの依頼で、内容は次のようなものだった。 「僕は物心がついてから両親の会話を聞いたことがありません。59歳の父は

 4月5日に放送された『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)のあるエピソードが話題となっている。それは、奈良県に住む18歳の青年からの依頼で、内容は次のようなものだった。

「僕は物心がついてから両親の会話を聞いたことがありません。59歳の父は僕たち子供には普通にしゃべるのに、母とは一言もしゃべろうとしないのです。理由はわかりません。このままでは熟年離婚なんてことにもなりかねません。父がしゃべらない理由を解明していただき、できることなら夫婦仲良く会話する姿を見てみたいです」

 カンニング竹山が調査を始めると、依頼主と2人の姉、そして当事者である両親への聞き取りにより、両親が会話をしていない期間は「23年間」にもおよぶことが判明。隠し撮りした家庭内の映像では、父は子供たちには笑顔で話しかけるものの、母が何を話しかけても完全に無言を貫き、やり取りはすべて一方通行だった。

 竹山に23年間話さなかった理由を聞かれた父親は、観念したように告白した。

「原因といわれると……子供が生まれるとなんか子供中心の、まぁ家内がそういう生活になって、私はなんかほったらかしになったんですね。で、まぁ若かったせいもあるし、なんか拗ねたみたいな感じで……引っ込みがつかなくなって」

 23年間も会話しなかった理由は、なんと、ただ「拗ねた」だけだったのである。これにはレポーターの竹山も、「お父さん、マジですか!」と驚愕の様子。さらに、「しゃべりたいという気持ちはあるんですか」と問われると、気まずそうに「……はい」と頷くのだった。

 そして、「私はお父さんと会話したいと思っています。奈良公園で待ってるんで来てくれますか?」というVTRでの母親の呼びかけに応じ、2人が出会った頃にデートしていたという公園で「再会話」することになった。

 23年ぶりの会話を交わした夫婦に、離れた場所で見ていた子供たちも号泣。スタジオ出演者たちも一同感涙に終わったのだ。番組に顧問として出演していたパティシエの林裕人氏は、その様子をこう振り返る。

「観覧してるお客さんも出演者も、みんな泣いていました。途中まで笑ってたけど、最後は涙が止まらなかった。僕や西田さんはあの父親と同世代だから、とくに感じ入るものがあった」

 反響は視聴者にもすぐ伝わった。『ナイトスクープ』は現在、全国35局で順次放送されているが、各地域で放送されるたびにネットでは絶賛の嵐となった。

 映画『モテキ』で知られる監督の大根仁氏はツイッターで「涙の量ではナイトスクープ史上最後かも。ほんと泣いたよ」とつぶやき、タレントの水道橋博士も「我が父を想い出し涙」と賛同した。番組関係者も「西田局長以下、今回の反響が大変大きいのを認識してまして、『あの作品はよかったからなあ』といっています。間違いなく今年のベスト候補です」と手応えを語った。意外なのは、その共感が比較的若い世代にも広がったことだった。

「子供が生まれたばかりで、ある意味家族の理想像を見たような気持ちになった」(32歳既婚男性)
「離婚した両親のことを考えたら、なぜか救われた気分になって号泣してしまった」(30歳独身女性)

 中高年は自分たちに、若い世代は自分の両親や自らの未来にこの夫婦と家族を重ね、涙した。

※週刊ポスト2013年5月24日号

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