23年ぶりの会話を交わした夫婦に、離れた場所で見ていた子供たちも号泣。スタジオ出演者たちも一同感涙に終わったのだ。番組に顧問として出演していたパティシエの林裕人氏は、その様子をこう振り返る。
「観覧してるお客さんも出演者も、みんな泣いていました。途中まで笑ってたけど、最後は涙が止まらなかった。僕や西田さんはあの父親と同世代だから、とくに感じ入るものがあった」
反響は視聴者にもすぐ伝わった。『ナイトスクープ』は現在、全国35局で順次放送されているが、各地域で放送されるたびにネットでは絶賛の嵐となった。
映画『モテキ』で知られる監督の大根仁氏はツイッターで「涙の量ではナイトスクープ史上最後かも。ほんと泣いたよ」とつぶやき、タレントの水道橋博士も「我が父を想い出し涙」と賛同した。番組関係者も「西田局長以下、今回の反響が大変大きいのを認識してまして、『あの作品はよかったからなあ』といっています。間違いなく今年のベスト候補です」と手応えを語った。意外なのは、その共感が比較的若い世代にも広がったことだった。
「子供が生まれたばかりで、ある意味家族の理想像を見たような気持ちになった」(32歳既婚男性)
「離婚した両親のことを考えたら、なぜか救われた気分になって号泣してしまった」(30歳独身女性)
中高年は自分たちに、若い世代は自分の両親や自らの未来にこの夫婦と家族を重ね、涙した。
※週刊ポスト2013年5月24日号