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プロ野球中継 他球場の経過を伝えると視聴率低下の可能性も

 プロ野球中継では、必ず他球場の情報が流れる。これは昔も今も変わらない。以前は、地方局のアナウンサーが電話でレポートすることもあったが、技術の進化した今では、すぐにVTRが届き、他チームの情報を観ることができる。

 たとえば6月2日、テレビ朝日系で地上波中継された西武対巨人(西武ドーム)の放送でも、他球場の情報が頻繁に伝えられた。この日は、話題の高卒ルーキー・藤浪晋太郎(阪神)がソフトバンク戦に先発しており、いつも以上に他球場情報に力が入っていた。

 しかし、中継中の“他球場情報”に違和感を覚える向きもあるという。野球に詳しいあるライターはこう話す。

「地上波中継しかなかった時代、他球場の情報は視聴者をつなぎ止めるために絶大な効果を発揮しました。ほかに、情報を知る術がなかったからです。しかし、BS・CSと多チャンネル化した時代において、他球場の情報は視聴者を離れさせるのに十分過ぎる素材です。今はすべての試合がテレビで観られますからね。

 しかも、テレビ朝日が西武対巨人戦を中継した6月2日は、スカパー無料デー。しかも、イニング間にはスカパーの10日間無料CMが流されていた。これでは、『阪神はルーキー・藤浪が投げています』とアナウンスすれば、西武対巨人戦を観ているプロ野球ファンは『スカパーも無料だし、話題の藤浪を観てみるか』とチャンネルを変える可能性もあります。他球場の情報を伝えすぎてしまうのは、視聴率を下げにいくようなものです」

 昔は通用した王道の手法も、時代が変われば、逆効果か。

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