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不眠が与える脳ダメージ大きい 睡眠薬飲んだ方がいいと医師

「50代になってから、夜中に何度も目が覚めるようになった。一度目が覚めるとなかなか寝つけない。昼間も頭がボーッとして、集中力も低下してしまう」(53歳・サービス)
「なかなか寝つけずに困っている。眠ろうと思うと眠れないのは本当に辛い」(60代・自営業)

 不眠に悩まされている中高年男性は多い。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(平成23年)によると、眠れないことが「頻繁にある」「ときどきある」と答えた人は、50代では52.7%、60代では59.7%、70代以上も59.0%にのぼる。

「中高年の方で不眠に悩み来院される方は多いです。睡眠薬を使えば治る方がほとんどですが、なかなか服用したがらない方が多いんです」(スリープクリニック調布・遠藤拓郎院長)

 先の厚労省の調査(平成20年)でも、「睡眠薬を使っている」と答えた人は、女性で15.7%、男性では9.4%にすぎない。

 日本人が睡眠薬に抵抗を感じるのは、ドラマや映画などで大量の睡眠薬で自殺するシーンが多くあったことから、「死に至る危険性がある」「依存性が高い」などというイメージが強いからだろう。また、睡眠薬を飲むと、頭がぼんやりするため、「記憶力が弱まるんじゃないか」と心配する人もいるという。しかし、前出の遠藤院長がいう。

「かつて使われていた睡眠薬は、麻酔薬の一種で効き目が強力な反面、副作用が重かった。呼吸や血圧にも作用するため、大量に飲むと呼吸が抑圧されて命に関わることもあった。

 しかし、当時の薬は睡眠薬としては現在ほとんど使われていません。また、睡眠薬を服用することよりも眠れないことの方が脳細胞へのダメージが強い。睡眠の悩みを抱えているなら、睡眠薬を使った方がいいんです」

 不眠に悩む人の中には、アルコールの力に頼る人も多いが、効果は薄いという。

「お酒は寝つきをよくするものの、アルコールが抜けていくにつれ眠りが浅くなり、逆に覚醒させてしまう。夜中に頻繁に目が覚めるなど、睡眠の質が悪くなります」(睡眠総合ケアクリニック代々木第二・碓氷章院長)

※週刊ポスト2013年7月5日号

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