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【ドル円週間見通し】FOMC議事録発表でFRBの真意見極めを

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、7月8日~7月12日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、10日に発表される6月18~19日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録、10~11日の日本銀行金融政策決定会合を見極める展開となる。

 ドル高・円安材料は、日本銀行による長期資金供給オペ(LTRO)の導入、米国10年債利回りの上昇、東京株式市場の上昇。ドル安・円高材料は、欧州債務危機と中東の地政学的リスクによるリスク回避の円買いの可能性、日本国債10年物利回りの上昇、東京株式市場の下落。

【5月経常収支】(8日)
 日本の5月の経常収支は、5950億円の経常黒字が予想されており、4月の7500億円の経常黒字から減少することが予想されている。経常黒字の減少は、円安要因となる。

【日本銀行金融政策決定会合】(10~11日)
 日本銀行金融政策決定会合では、経済・物価情勢の展望(展望リポート)の中間評価が行われることで、日本版「長期資金供給オペ(LTRO)」の導入が決定される可能性がある。導入された場合は、円売り材料となる。

【連邦公開市場委員会(FOMC)議事録】(10日)
 6月18~19日の連邦公開市場委員会(FOMC)後に、バーナンキFRB議長は、資産購入プログラムの縮小に関して、経済情勢次第としつつも、2013年末までに開始すること、2014年央に完了する可能性がある、というロードマップを示した。

 しかしながら、バーナンキFRB議長のスポークスマンと目されるダドリー米ニューヨーク連銀総裁は、「市場は、バーナンキFRB議長の発言を誤解している」と沈静化に務めており、議事録により、米国連邦準備理事会(FRB)の真意を見極める展開となる。また、10日に予定されているバーナンキFRB議長の講演にも要注目か。

【欧州債務危機と中東地政学的リスク】
 連立政権が弱体化したことで、ポルトガルとギリシャの金融危機再燃リスクが高まりつつあり、ユーロ圏財務相会合での対応策に要注目か。また、エジプトのクーデターを受けた中東の地政学的リスク回避の円買いの可能性、原油価格上昇リスクを受けた貿易赤字拡大による円安リスクにも要注意か。

 7月8日~12日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(日)5月経常収支- 8日(月)午前8時50分発表
・予想は、+5950億円
 参考となる5月貿易収支は-9939億円。所得収支の動向次第となるが、前年5月の実績を参考にすると経常黒字額は4月実績を下回る見込み。コンセンサスは妥当か。

○(日)5月機械受注- 11日(木)午前8時50分発表
・予想は、前月比+1.4%
 参考指標となる4月実績では、受注額水準は7000億円を維持している。4-6月見通しは前期比で減少する見込みだが、円安による競争力回復などで製造業の受注は増加する見通し。コンセンサスは妥当か。

○(米)6月生産者物価指数- 12日(金)日本時間午後9時30分発表
・予想は、全体では前年比+2.0%、コア指数は同比+1.6%
 燃料、食料品価格の下げ止まりによって全体の数字は前月比、前年比ベースで上昇する公算。ただし、中間材と原材料価格の上昇はやや抑制されており、コア指数は5月実績(上昇率)をやや下回る可能性がある。

○(米)7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値- 12日(金)日本時間午後10時55
分発表
・予想は、85.0
 参考となる6月確報値は84.1←速報値82.7と上方修正。ダウ平均は7月初旬にかけてやや底堅い動きを見せている。6月ガソリン価格は前月比+0.38%程度(季調済み)で中立要因。1-3月期国内総生産(GDP)は下方修正された。6月実績と同程度になる可能性がある。

【予想レンジ】
・ドル・円97円00銭~102円00銭

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