芸能

ホワイトハウス陥落映画相次いで製作の背景を国際専門家分析

 アメリカの象徴、ホワイトハウスが襲撃され陥落されるというストーリーのハリウッド映画が相次いで登場。内容やシーンがそっくりだと話題を集めている。

 現在公開中の『エンド・オブ・ホワイトハウス』は、テロリストによりホワイトハウスが襲撃、占拠。大統領も人質にとられ、核爆弾作動コードも要求されてしまう。主人公の元シークレットサービスが、大統領救出に向けて動き出すという展開だ。

 一方、8月に公開される、ローランド・エメリッヒ監督の最新作『ホワイトハウス・ダウン』は、謎の武装集団によりホワイトハウスが襲撃、占拠されるという設定が『エンド・オブ・ホワイトハウス』と同じ。大統領が人質にとられるのも同じなら、主人公の議会警察官が大統領ら人質救出とホワイトハウス奪還に挑むというストーリー展開もまったく一緒だ。

「両映画ともホワイトハウスがヘリコプターや戦闘機によりミサイル攻撃を受け、激しい爆破シーンも描かれます。ホワイトハウスに立つ国旗がなぎたおされる演出までまったく同じです」(映画ライター)

 アメリカでの公開時には、構成がそっくりなポスターも話題を呼び、「話題作りのためわざとやっているんじゃないか?」という声が出たほどだ。

 アメリカでは『エンド・オブ・ホワイトハウス』が今年3月、『ホワイトハウス・ダウン』が6月に公開されたが、製作が決まったのは同じ昨年3月ごろだった。

 このようにホワイトハウスを題材にしたハリウッド映画が相次いで作られるのはいったいなぜなのだろうか? 

 国際ジャーナリストの小西克哉さんは、次のように分析する。

「製作が決まった2012年はアメリカでは大統領選挙の年。アメリカ人にとって4年に1度、政治を大きく意識する年です。そのタイミングに合わせて、大統領が登場する映画の製作をすすめることで話題作りをし、興業的な成功につなげようという狙いから作られたのではないでしょうか。

 こういった政治に関連した映画を作るとき、内政をテーマにするよりも戦争など外交に関する話にしたほうが派手な作品になります。テロリストとの戦いや、攻撃により建物が爆破される、という要素も入れやすいですし、ホワイトハウスが陥落されるということを題材にすればなおさらインパクトは強い。

 今回、2作品の製作時期が重なりましたが、ハリウッドの脚本はいろんなところに持ち込むので情報が漏れることもよくありますし、同時期に同じテーマを扱う映画が作られるのはこれまでもあったことで、珍しいことではありません」

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン