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『あまちゃん』パラパラ漫画作者・鉄拳 1日に16時間机向かう

『あまちゃん』パラパラ漫画作者の鉄拳が制作秘話を激白

 NHK連続テレビ小説『あまちゃん』に登場する、鉄拳(41才)の描くパラパラ漫画が話題を呼んでいる。繊細なタッチで描かれる東北の風景やヒロイン・アキの姿は「癒される」などと評判だ。作者・鉄拳に独占直撃!

――どういう経緯で描くことになったのですか?

「昨年秋ごろにNHKから“朝ドラでパラパラ漫画を描いてほしい”と依頼があって。最初は“ぼくが朝ドラ? 何かの間違いじゃないか”と信じていなかったんです。でも打ち合わせに行って、朝ドラのスタッフたちを目の前にして、これは現実の話なんだと思いました」

――アキが北三陸から東京に行くまでの道のりや映画『潮騒のメモリー』の内容といった印象的なエピソードを描いていますが、苦労は?

「これまで描いてきたものと大きく違うのはコマ数。いつもは1秒間に6コマなんですが、『あまちゃん』は8コマで描いています。なぜなら6コマよりも8コマのほうが流れもスムーズでちゃんとアニメとして動いているように見えるんですよね。朝ドラは子供から高齢者まで見ているものだから、みんながわかるものがいいなと思って」

――1本描くのにどれぐらいの時間を費やしている?

「これまで1~2週に1本ペースで登場しているんですが、毎回20~30秒でだいたい200~300枚ぐらいの絵を描いています。机に向かっているのは1日16時間ぐらいですね。動かないし、ストレスで甘いものばかり食べて3kgぐらい太ってしまいました」

――ロケ地には行って描いているんですか?

「先日行ってきました。放送開始当初はなかなか行けなくて、ネットの動画などを見て北三陸鉄道のモデルになっている三陸鉄道のリアス線の電車を研究しました。スタッフからはそこまで厳密じゃなくてもいいといわれていたんですが、見る人が見たら“こんな電車走ってない”とか思われたら嫌じゃないですか。だからドラマの設定の年に走っていた電車の車体や風景を自分なりに調べて描きました」

――かなり気合が入っているんですね。

「もちろん。脚本の宮藤官九郎さんも“自由に描いてください”と言ってくれていますが、ぼくとしては期待されている以上のものを描きたいと思っていますし、スタッフから“こう来ると思っていなかった。すごい”とほめられると、素直に“やった!”と喜んでますね」

撮影■浅野剛

※女性セブン2013年8月1日号

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