ライフ

乳がん検診 マンモグラフィーより超音波が検出率高いと医師

 15人に1人が乳がんになる日本で、乳がん検診の受診率はわずか23.8%。74.1%のイギリスや、60.6%のアメリカといった欧米諸国だけでなく、61.2%のお隣の韓国と比べても極端に低い数字となっている(OECDヘルスデータ2010年版より )。早期発見が可能な乳がんは、精度の高い検診を定期的に行えば充分克服可能なもの。R40が受けるべき検診とは?

「自治体の検診で受けたマンモグラフィー(乳房X線検査)の結果は異常なし。しかし、検診先の医師に念のためとすすめられて、自費で超音波(エコー)検診を受けたところ、小さなしこりが見つかったんです。もし、マンモグラフィーしか受けていなかったら…と思うと、ゾッとします」

 都内在住の40代女性の体験だ。彼女の場合、幸い、その後の精密検査でがんではないことがわかったが、このようにマンモグラフィーだけでは見つからなかったしこりが、超音波で見つかることは、決して珍しくないという。

 国のガイドラインでは、乳がん検診は40才から2年に1回、視触診とマンモグラフィーの実施を推奨している。自治体や企業の健保組合などが公費補助を受けて行う場合、このガイドラインに準じていることが多い。

 医療ジャーナリストの増田美加さんによれば、

「マンモグラフィーは、しこりだけでなくしこりになる前の石灰化(死滅したがん細胞にカルシウムが付着したもの)を見つけるのが得意なので、早期のがんを発見するための検診では必ず行われます。かつてはマンモグラフィーを撮影する技師や医師の技術・設備により“差が大きい”といわれましたが、今は一定の基準を設けてチェックする機関(マンモグラフィ検診精度管理中央委員会)があり、年々精度が向上しています」とのこと。

 しかし…と増田さんは続ける。

「マンモグラフィーだけで検診として本当に充分なのか、日本人女性に適しているのかという問題が、今まさに議論されています」(増田さん)

 日本人を含むアジア女性の乳房に多く見られる特徴として、“高濃度乳腺”がある。

「特に20~40代に多いもので、乳腺が密集しているため、マンモグラフィーでは全体が真っ白な画像になってしまうのです。しこりも白く映るため、本来発見しなければならないしこりが見逃されてしまう可能性があります」(増田さん)

 亀田京橋クリニック(東京都中央区)の診療部部長・画像センター長・医師の戸崎光宏さんも次のように指摘する。

「この問題を防ぐためにも、マンモグラフィーと併用して超音波を受けていただくことをおすすめします。超音波ではしこりは黒く映るため、“高濃度乳腺”の場合でもしこりを発見しやすい。検診の現場でがんの検出率が高いのは、マンモグラフィーよりむしろ、超音波なのです」(戸崎さん)

※女性セブン2013年8月1日号

トピックス

ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
鳥取の美少女として注目され、高校時代にグラビアデビューを果たした白濱美兎
【名づけ親は地元新聞社】「全鳥取県民の妹」と呼ばれるグラドル白濱美兎 あふれ出る地元愛と東京で気づいた「県民性の違い」
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』(星海社新書)を9月に上梓したルポライターの松本祐貴氏
『ルポ失踪』著者が明かす「失踪」に魅力を感じた理由 取材を通じて「人生をやり直そうとするエネルギーのすごさに驚かされた」と語る 辛い時は「逃げることも選択肢」と説く
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン