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中韓で事情異なる対日感情 中国人はドライ、韓国人はウェット

 7月末に韓国ソウルで行なわれたサッカー日韓戦で、韓国側サポーターが「歴史を忘れた民族に未来はない」とハングルで書かれた巨大な横断幕を観客席に掲げたり、韓国で「旭日旗」が反日の一大トレンドになるなど、日本批判が目立っている。

 一方、中国も反日では負けない。今年7月、北京在住の著名反日活動家が「尖閣諸島を占領するための民兵」を募集すると発表。1000人ほどを集め、尖閣に上陸し占領する計画だという。

 荒唐無稽な話だが、尖閣については李克強・首相自ら「尖閣は日本が盗み取った」と公言しているのだから、活動家が過激になるのも当然である。だが、韓国と中国では同じ反日でも事情が異なる。ジャーナリストの富坂聰氏がいう。

「私はかつて、街中で南京大虐殺の議論になった際、父が目の前で日本兵に殺されたのを見たという人から、『父がその時着ていた血のついたコートを着てみろ』といわれ実際に着させられたこともある。

 しかし、そうした経験を経てもなお、大多数の中国人は実際には対日感情でドライだと思います。韓国は、戦時中の日本企業の賠償責任を問う判決を出すなど、国際的にみたらおかしい話でも、ウェットな感情が先だってしまうことがありますが、中国人の場合はもっと現実的。

 たとえば、出世競争でライバルが日本人と親しくしているとき、『あいつは日本人と親しい』と足を引っ張ったりするような使い方をする。政府も民間も反日を政治利用しているのです」

 評論家の宮崎正弘氏によれば、「インターネット空間では反日にだけ言論の自由が与えられているから、反日の議論が展開されているようで、実は反日=反政府という記号で政府批判が行なわれていることもある。政府も民間人も、お互いに反日をガス抜きのアリバイにしている」という。

※週刊ポスト2013年8月16・23日号

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